RECORD

Eno.158 墨井 志世乃の記録

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あの時の夕焼けは、ステージの照明よりもまぶしかった。



だれかの声を聴いた時、胸がどきどきした。
顔があつくて、散々走った後みたいだった。
それなのに、わたしの心は落ち着いてばかりいた。
お姉さんに助けてもらってからも、しばらくはそうだった。

こわい? うれしい? どれでもあって、どれでもないかもしれない。
頬をつねってもなくならないまぼろしが、確かに目の前にあって。

ずっと前。半分くらいの背丈の頃。
不思議に恋してたわたしが、わらってた気がした。


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神秘管理局の人の話は難しかったし、
アザーサイド……の、人?はちょっと怖くて、隠れちゃった。
いろいろ、考えて…… インターンシップ。
大学生になったらそのうちやることって聞いていたから、やってみることにした。

お母さんか、お父さんに相談したらよかったかな。
でも、神秘っていうものはお母さんにもお父さんにも、弟のりよとにも秘密みたい。

何をするかはよくわからないし、わたしにできるのかもわからないけど。
秘密のお仕事。なんだか、わくわくする。

「……がんばろ。しよの」


ありえないものがありえて、ないはずの場所と繋がる場所。
きっと、わたしでもがんばれる事があるよね。




「にゃー」