RECORD

Eno.344 本田健斗の記録

例えば

裏世界で怪奇に殺されかけたから『死にたくない』って願うのは当たり前で。

けれどその後に眠っていた神秘が都合良く目覚めるのは当たり前では無くて、更には『人並み外れた自己再生能力』という普通なら助からない怪我を負ったその時に丁度良く目覚めるなんて出来すぎていたかもしれない幸運で。

これで終わっていたらまだ罪にはならなくて、運良く助かって良かったとただの奇跡で終わっていた。

けれど他にもすぐそこに傷ついている人が居た不幸とか、これを他者にもそのまま施せば怪我だけでなくて他の問題も治せると思ってしまった愚かさがあった。

『完全に善意で皆を治療したい』と願って、本当は『治癒術を扱うのは不可能』なのに何故か出来てしまって。けれどそれは『普通の人間』にかけてはいけない本当の意味での『魔法もどき』になってしまった。

それが彼の最大の不幸であり、今も背負い続ける罪の始まり。