RECORD

Eno.26 朔 初の記録

いでそよひとを わすれやはする


「…」



「おとうさん なにしてるの?」



「……お、はつ〜。いや、部屋の本の整理をしていてな」



「えほん?」



「ああ、違う違う。絵本じゃなくて…じゃーん」



「わ、まんがだ。まんががいっぱい」



「くくく…すごいだろう。これの整頓をしていたのだ」



「……」



「…おとーさんって、まんがだいすきだねえ」



当然!父さんは漫画が好きでなっ」



「…ここに本棚があることはバレてしまったことだし。はつも好きに呼んでいいからなっ」



「…!ほんと?じゃあねえ…えがかわいいの、わたしよみたい!」



「絵が可愛いのか…む、なら……」




──本棚には漫画以外も混じっていて、漫画もそうだったのだけども。
神様に関するお話がたくさんだった。
絵が可愛いやつ、で私が選んだのはたしか、古事記だったか、日本書紀だったか。
とにかく、日本の神話を伝記としてまとめた、そんな本だったと思う。
お父さんのそばで、確か読んでたはずだった。
一巻ポッキリのそれを。
時折、お父さんに聞きながら。



──あんまり、覚えてない。