RECORD

Eno.26 朔 初の記録

みっつめ


「……」

バイト終わり。
朔初は、自習を行なっていた。
自室で、白い灯りをつければ、敷いてある座布団の上に腰掛ける。
学習というものは常なるかな、復習という物が伴うもので。
復習をするから、頭に学びが浸透するのだった。
反復練習は大切なことだった。
それは指先を動かすことにせよ、体を動かすことにせよ。

「……」

ふ、と。
開いた教科書の片隅に、描かれたらくがきに目がいく。
昼間、よくわからんちいこい人に書かれた物だった。
しつこそうなことを告げて去っていったが、まあそんな物だろう。
好奇心湧けば、それを追い回す猫のよう。
しばらくは鬱陶しかろうが、飽きればそのうち去る物、だと思う。あの手は。
朔初の勝手な考えだった。

邪魔されるのは腹が立つが。
それ以上に興味もないのだから。
腹を立てる必要はないのだと気がつき。
ただ、立ち去るのと声掛けを躱してしまえばいい。

「……」

とんとん、とシャーペンのすすみはよかった。
あとは無言の時間。

もう一度が繰り返されている。