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「李くんは違うんだね?」
頑なに、裏世界を遠ざけようとする言葉に違和感を覚えて、
ただの会話作りのために尋ねてみた。

「艾ちゃんは、裏世界に属する存在たちのことが嫌い?」
本当に。
それ以上でも、以下でもない。
だから、問い掛けたものがそのまま──
それも、異なる立場のものとして──
帰ってきて、思わず、思考を止めた。
[アミューズタチカワ][【裏】駅前繁華街:常闇通り]
芟花艾
[Eno.106]
2025-06-09 18:22:04
No.1481113
>>1479370
「棲み分けが出来るならいい。
こうして交わってしまう場所があるのが危険だと思う」
「ここに馴染んでしまう人間が出て来たり
怪奇と距離がちかくなってしまうと、
きっと現代じゃ生きづらい」
未知への恐れだ。だから敵視する。
科学で廃れてくれるものならそれでいいと思う。
現実を生きるなら、関りなんて本当はいらないんだ。
「李くんは違うんだね?」
︙
[アミューズタチカワ][【裏】駅前繁華街:常闇通り]
ライム
[Eno.357]
2025-06-09 21:19:06
No.1504231
>>1481113
「なるほどねぇ。少なくとも、
現代社会で推奨できる生き方ではないよね」
現代ではなくとも──
およそ、違う法則・理の中で生きる物だ。
無理に互いへ干渉したところで、良いことになるとは限らない。
そうした物語なら、表世界にだっていくらか残っている。
知らないものは、いつだって怖い。
「うん? ん~、そういうわけではないけれど」
返って来た自分の問いに、目を瞬く。
何事か考えるために、視線を放り──
この世界ではお目にかかることのできない、
月のつもりになっているそれを見上げた。
「────」
▼
︙
──あ。
これは、
言わない方がいいことだ。
唇を開きかけてから、
そのことに気づいたものだから、
慌てて顔を背ける。
[アミューズタチカワ][【裏】駅前繁華街:常闇通り]
ライム
[Eno.357]
2025-06-09 21:21:31
No.1504484
>>1481113 >>1504231
「……双方ともに、無益な争いによる衝突と犠牲を、
少しでも減らせたらいいなと思っているだけ」
それはまるで、ぼんやりと浮かぶ月のような理想論。
「遠い未来、科学が世界を征服したとしても、
人は未知や奇跡への誘惑には抗えないだろうから」
「そのとき、僕たちの後に続く道を、
少しでも歩きやすいものにしたいんだよ」
要は、妥協と摩耗、歩み寄りの話である。
それも、気が遠くなるような先にしか、結果が存在しないような。
──あの月は、一体、どこに浮かんでいるのだろう。
︙
言わない方がいい。
僕はきっと、人間を、
身近な人を守ろうという彼に対して、
余計でしかない心配を掛けてしまうだろうから。
ぼんやりとした、どっちつかずの立ち位置。
ぼんやりとした、見えもしない遠い未来の話。
ぼんやりとした、机上にも載せられない不出来な理想論。
そんなものは、今、
眼前に守りたいものがない証左でしかない。
──あの時、僕は、こう答えようとした。

「そういうわけではないけれど」

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「人間も、怪物も、僕には違いがわからないだけだよ」
だから、
どちらを守るとか、退けるだとか維持するだとか、
面倒くさいことこの上なかったんだ。
どうせ、どいつもこいつも、
心のうちに怪物を飼っている。