RECORD
Eno.188 柊 柑凪の記録
今日と変わらない明日
楽しかった昨日、"いつも通り"の今日。
この世界のきっと誰もが、今日と大して変わらない明日が来ると信じている。
……あるいは。人々の知らないところで、"もしも"を叶える未来を。
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中学校に進学して初めての夏休みの、お出掛けからの帰り道。
わたしはいつも通り、ラビを抱えて歩いていた。
ふと、歪な"気配"を感じる。
夏の暑さで景色が陽炎みたいにゆらゆらと揺れる中で、
わたしは細い路地へと入った。
あれは蜃気楼なんかじゃない。
わたしたちの日常を侵す、悪意の影。

"気配が濃く放たれる壁に向かって、わたしは飛び込む"。
軋んだノイズ音と共に、わたしは"裏側の世界"へと足を踏み入れた。
案の定、人が倒れているのを見つける。
普通だったら熱中症を疑うところだけど、ここではそうとは限らない。
直後、後ろから殺気が迫る。
けれど、"わたしたち"は恐れない。



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裏世界への迷い人さんを襲ったと思われる悪性怪奇は
わたしとラビによって倒され、今日も一件落着となった。
そのあと、いろんなひとが来て、迷い人さんを無事に助け出した。
あの人に記憶があれば、きっとあれやこれやと聞かれて、
もしかしたら明日からわたしたちの仲間になるのかもしれない。
"いつも通りの世界"に帰るために、
たくさんの手続きを踏まされることになるのだろう。
それでも。「無事でよかった」とわたしたちは思う。
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――昨日までとはおんなじに見える、明日がまた始まろうとしている。
ううん。みんながそう信じているだけで、日常は薄い氷のように脆いんだ。
もし、あの迷い人さんが自分の意思で裏世界にやってきたら。
その時には挨拶をしよう。
「ようこそ」と。
この世界のきっと誰もが、今日と大して変わらない明日が来ると信じている。
……あるいは。人々の知らないところで、"もしも"を叶える未来を。
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中学校に進学して初めての夏休みの、お出掛けからの帰り道。
わたしはいつも通り、ラビを抱えて歩いていた。
ふと、歪な"気配"を感じる。
夏の暑さで景色が陽炎みたいにゆらゆらと揺れる中で、
わたしは細い路地へと入った。
あれは蜃気楼なんかじゃない。
わたしたちの日常を侵す、悪意の影。

「ここだ……」
"気配が濃く放たれる壁に向かって、わたしは飛び込む"。
軋んだノイズ音と共に、わたしは"裏側の世界"へと足を踏み入れた。
案の定、人が倒れているのを見つける。
普通だったら熱中症を疑うところだけど、ここではそうとは限らない。
直後、後ろから殺気が迫る。
けれど、"わたしたち"は恐れない。
「――ラビ!」

「!」

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裏世界への迷い人さんを襲ったと思われる悪性怪奇は
わたしとラビによって倒され、今日も一件落着となった。
そのあと、いろんなひとが来て、迷い人さんを無事に助け出した。
あの人に記憶があれば、きっとあれやこれやと聞かれて、
もしかしたら明日からわたしたちの仲間になるのかもしれない。
"いつも通りの世界"に帰るために、
たくさんの手続きを踏まされることになるのだろう。
それでも。「無事でよかった」とわたしたちは思う。
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――昨日までとはおんなじに見える、明日がまた始まろうとしている。
ううん。みんながそう信じているだけで、日常は薄い氷のように脆いんだ。
もし、あの迷い人さんが自分の意思で裏世界にやってきたら。
その時には挨拶をしよう。
「ようこそ」と。