RECORD

Eno.382 フルルーナ・ワイズマンの記録

<rt>おろかな</rt><rb>影伸びる</rb>夜




アキラがいなくなった。

それまでの情報をなんとか繋げて導き出した、あの瞬間。

命を連れて教室を抜けて、ヒイロのいるであろう生徒会室に向かった。

そこで命になんて説明すればいいかわからなくなって。

どこまで伝えていいか、どこまで知っているのかわからなくて。

だから、全部中途半端になった。

ヒイロと、イルミが来たから一度自分の言葉は止めて。

神秘管理局の職務に従った手順でそこにいる皆に協力を頼んだ。

命から糾弾された。

ごめんね。馬鹿だったよね。あんな言い方、しちゃいけなかった。

局として必要なことと、自分としての言葉は違う。

裏世界と関わりのある人間である以上、手続きとして協力を要請しないといけないから。

だけど、そんなの納得できないよね。

もっとちゃんと、勇気が持てたらよかったんだ。


―――月から見た。

親友を奪った存在を探すために。

裏世界の狂った大地を、できるだけ広く。

頭が痛くなる、膨大な光景を処理しきれない。

それでも見つけなきゃ。探し出さなきゃ。

こういう時、方向音痴の自分が憎い。

そんな中、1つの強烈な光が見えた。

その中心に、黒い影があった。

ああ、きっとあれがアキラを。

そう思ったは、眼から光を放った。



アキラが見つかった。

裏世界で、老婆の怪奇に捕まっていた。

皆でそいつを倒した、アキラはきっと助かった。

でも、命は不機嫌なままだ。

それから数日ぐらい、命は帰ってこなくなった。

学校にも来なくて、心配していた。

ある日Surfが来た、いっぱい謝って、どうしていたか聞いた。

そしたら色んなところに泊まってたみたいで。

すごいホテルにも行ったらしい。

羨ましいって気持ちより、ちゃんと帰ってきたことが嬉しかった。

コハルはずっと怒ってたけど、帰ってきたら呆れながら許してくれた。

これでひとまず終わったのかな、また皆で楽しい毎日を送れるかな。

自分も、楽しんでいいのかな。


―――今日は月を見た。

霞んでよく見えなかった。

ぼやけた空、ぼやけた顔、ぼやけた字。

この日から、少しずつ。

目が霞むことが増えてきた。