RECORD

Eno.382 フルルーナ・ワイズマンの記録

<rt>ひめい</rt><rb>痛み</rb>の産声



友人に刺された。
意味がわからなかった。
なぜ?友達だと思ったことがなかった?

全部ウソだとわかっていても、それを実証する方法はない。
彼女はそのまま闇に溶けるように消えていった。
何も伝えず、一方的に、いつものようにはぐらかして。

あれから連絡を取っていない。
Surfのひとつも送ってないし、顔を見てもいない。
離れたがっているのだから、そう望むのならと当てつけた。

別の友人から連絡が来た、色々と相談を受けた。
その時に話を出したら、同じようなことがあったと言っていた。
彼女がもし、もし、敵と認められてしまったら。

そうならないように、帰る場所をせめて残すように。
隠さずに皆に伝えた、隠したかったことを全部。

「龍胆チトセが、人を襲っている」

いつ、どこで、どのように襲うかを周知させた。
これ以上の被害が出ないように、チトセが敵にならないように。

自分が友達にできることは、これだけだった。




あれから、チトセからも、その友人からも、新たな進展は送られてきていない。