RECORD

Eno.344 本田健斗の記録

8/12

今日は進学で地元を離れて以来久し振りに実家に帰る日だ。本当なら理由を付けて帰らないでいようかと考えたけれど自分の周りには家族に会いたくても会えない人が余りにも多くて家族に会える事が幸せなことなのだと知ってしまったからちゃんと会いに行こうと決めました。

……余り気が乗らないのは変わらないけれど、話も聞かないといけないから。

鈍行列車に揺られて最寄り駅を待つ。お盆の帰省ラッシュ真っ只中で人だらけなのは少し落ち着かないです、駅に着いたら親が迎えに来てくれるみたいですからちゃんと連絡しませんと。

本当は自分だけでも当然帰れるのですけれど今の自分はかつての髪と目の色では無いのでもし近所の人に帰っている所を見られたら変に映ってしまいます。見知らぬ他人が家に入っていったと誤解されてしまいますから。

今はただ電車に揺られてその時を待っています。実家に着いたら自分は元気であること、寮での暮らしは楽しいこと、新しい友人が無事に沢山出来たこと、人も怪奇も問わずなこと。
そして……特別民間協力者としての活動は問題無く出来ていることも。

危険じゃないかと心配されるでしょうね、でも危険な事に自分から積極的に首を突っ込んだとは言えませんね。そして活動の中で人を殺めてしまった事も。家族は裏の存在を知っているし、どうやら祖父に至っては裏世界に行ったことすらあるらしいけれど能力は一般人と変わらないのですから。

そして今回はわたくしの神秘のルーツも聞くことになっています。イナゴさんから一部聞きましたけれど、他にまだわかっていない事もありますから……これからの為にもちゃんと聞きましょうか。

「……後一駅ですか。」

そろそろ連絡しませんとね。