RECORD

Eno.344 本田健斗の記録

実家にて

「ただいま戻りました。」

久し振りの実家だあれから多少物の配置は変わっていたけれど大きな変化は無く自分の部屋もそのままでした。
夜ご飯を食べながら学校生活はどうなのか、協力者としての活動はどうなのかと聞かれました。

「学校生活はとても楽しいですよ、今のわたくしにこんなに楽しいのが許されるのかって位には。」
あ、困らせてしまった。違うそんな顔をして欲しかった訳じゃない。

「……ごめんなさい。けれど大切な友人が何人も出来て北摩に行けて良かったと思っているのは本当です。」

友人の中に怪奇が居ると言った時は驚かれた。当たり前だ、だって自分は初めて裏世界に行った時に敵対的な怪奇に殺されかけたのだから。

「裏の方でも確かによく一緒に居ますし……護衛をしてもらった事もありますけど、初めて会ったのは表世界で最初は怪奇だとは知らなかったのですよね。」

びっくりしましたよ、とも。でも確かに大切な友人だからと。そして寮での生活も上手くやってますとも伝えた。ちょっとは安心して貰えただろうか。頼りになる先輩も沢山居ますよと言いましたけど……たまに混沌とし過ぎるのは黙っておきましょう。馬のマスクを被る先輩が居るとか、メイド会なるものがあったとかは……メイド服を着てしまって今もその服があるとかも。

「えっ、好きな人!?なんで今聞きますか?」

余りにも反応がわかりやす過ぎて自分でもやってしまったと思った。

「確かにアンクレットなんて着けませんでしたけれど……居ますよ。」
「えっいや前に一生孤独で一人でって言ったのは……忘れてください、本当に忘れてください……いや赤飯とか要りませんからね!?まだ答えをまって……あっ。」

告白した事まで白状してしまった。そしてその後に渋々昨日撮った写真を見せた。これを知られるのはもう少し後が良かったのに。

「今は返事を待っている所です、北摩に戻ったら会える時にですかね……それと自分の神秘のルーツも話します。他の人にも話すつもりの人は居ますが。」

それこそさっき話した怪奇の友人とか。

「わかりました明日ですね、おじいちゃんも来るのでしたっけ。」

その事は構わないけれど話すのは明日と言われたから今日はもう少し北摩での学生生活と協力者としての活動の思い出話をしていよう。

協力者としての活動については結局かなり情報を隠してしまった。危険な戦場に癒やし手として赴いたこと、今は落ち着いたが最初はほぼ一人でその後も少ない人数で一般的には過労だと言われるレベルの忙しさだったこと……それと魔眼の強化に伴ってもしかしたら少し怪奇化が進んだ可能性を否定出来ない事も。
けれど頼りになる友人や他の協力者達が居て自分が役目をそれなりに果たして無事に帰省出来た事はちゃんと伝えられたと思いたい。

そして先んじて知ってしまった事もあるけれど……明日、この身に宿る神秘についてそのルーツを聞く覚悟はしておこう。
あの時はそれどころで無くて自分が何者かを知るのを拒絶してしまったけれど、今ならきっと受け止められるから。