RECORD
Eno.414 水貝 弥白の記録
苦い夏の葡萄柚④
3日目:
「………あの」
「おはよう、今日が水貝くんの最終日だったね。
こっちの企画もあと1~2日で終わるみたいだから助かったよ」
「あ、あの!河島さんたちのことなんですけど」
「水貝くんに無茶なお願いをしたんだろ、まったく…ごめんね、
困らせるようなこと言われたんだろう?」
違う、頼られて応えたくて西木さんに言うのを躊躇って
「俺が、勝手に治療したからですよね?
だから、ちゃんと回復する前に前線に行っちゃって」
「しなくても無茶をしてたよ。備品を自己流に使って
再出動することだってしょっちゅうだったんだ。
水貝くんが気に病むことじゃなくて、
医療スタッフの判断指示を聞かなかった二人の落ち度だ」
「それでも…あと数日なら、最後まで参加させてもらえないですか。
このまま終わるのは…なんていうか、悔しくて」
「希望に添えなくて悪いけど、それは出来ないんだよね。」
「だって、もうちょっとなんですよね?俺、まだ夏休みですし」
「うん、あと数日ならね。ここが表のようにある程度は計画的に
事が進められるならそれもありかなって思うんだけど、
実際はどうなるか分からないし。
既に負傷して離脱しているスタッフも出ていて予定なんて
どうなるか。水貝君だってこれが半月、一カ月と伸びてきたら
事情は変わるだろう?」
「それは…」
「そういうことに対応するのは正規の職員の役目だ。
君は十分働いたんだから、今日の仕事が終わったらゆっくり休んで下さい」
もう、俺は必要ないってこと?
「それに、治療の神秘の使い手は少ないけど、いないわけじゃない」
まってよ、直接連絡くれただろ?俺が役に立てる、特別だって
「ちゃんと次の人と交代できるようになっているから、大丈夫なんだよ」
替わりがいる、
特別じゃない、
俺じゃなくてもいい
「あ、はい」
・・・・・・・・・
この短期の仕事の最終日にどんな仕事をしたのか、
後になったら全然思い出せない。
時間だね、と言われて急に目が覚めたように時間を見る。
救護所の他のスタッフにお世話になりましたとお礼を言い、
助かったよ、お疲れ様と言われたけど言葉が身体の上を滑るように
自分には関係ないもののように通り過ぎる中、着替えを済ませ
荷物をまとめたら、鍵を返して、3日間の仕事が終わった。
浮かれちゃって、ばかみたいだ。
自分が特別になれるなんて期待して、恥ずかしい。
寝よう。もう、考えたくない。
「………あの」
「おはよう、今日が水貝くんの最終日だったね。
こっちの企画もあと1~2日で終わるみたいだから助かったよ」
「あ、あの!河島さんたちのことなんですけど」
「水貝くんに無茶なお願いをしたんだろ、まったく…ごめんね、
困らせるようなこと言われたんだろう?」
違う、頼られて応えたくて西木さんに言うのを躊躇って
「俺が、勝手に治療したからですよね?
だから、ちゃんと回復する前に前線に行っちゃって」
「しなくても無茶をしてたよ。備品を自己流に使って
再出動することだってしょっちゅうだったんだ。
水貝くんが気に病むことじゃなくて、
医療スタッフの判断指示を聞かなかった二人の落ち度だ」
「それでも…あと数日なら、最後まで参加させてもらえないですか。
このまま終わるのは…なんていうか、悔しくて」
「希望に添えなくて悪いけど、それは出来ないんだよね。」
「だって、もうちょっとなんですよね?俺、まだ夏休みですし」
「うん、あと数日ならね。ここが表のようにある程度は計画的に
事が進められるならそれもありかなって思うんだけど、
実際はどうなるか分からないし。
既に負傷して離脱しているスタッフも出ていて予定なんて
どうなるか。水貝君だってこれが半月、一カ月と伸びてきたら
事情は変わるだろう?」
「それは…」
「そういうことに対応するのは正規の職員の役目だ。
君は十分働いたんだから、今日の仕事が終わったらゆっくり休んで下さい」
もう、俺は必要ないってこと?
「それに、治療の神秘の使い手は少ないけど、いないわけじゃない」
まってよ、直接連絡くれただろ?俺が役に立てる、特別だって
「ちゃんと次の人と交代できるようになっているから、大丈夫なんだよ」
替わりがいる、
特別じゃない、
俺じゃなくてもいい
「あ、はい」
・・・・・・・・・
この短期の仕事の最終日にどんな仕事をしたのか、
後になったら全然思い出せない。
時間だね、と言われて急に目が覚めたように時間を見る。
救護所の他のスタッフにお世話になりましたとお礼を言い、
助かったよ、お疲れ様と言われたけど言葉が身体の上を滑るように
自分には関係ないもののように通り過ぎる中、着替えを済ませ
荷物をまとめたら、鍵を返して、3日間の仕事が終わった。
浮かれちゃって、ばかみたいだ。
自分が特別になれるなんて期待して、恥ずかしい。
寝よう。もう、考えたくない。