RECORD

Eno.32 不藤識の記録

extra. 『自己像幻視/autoscopy について』

 以下、自己像幻視autoscopyが発現した能力を記す。

・合わせた鏡に対して転移する能力
・他人に成り代わる能力
・事象を遊びに代替する能力。

 この三種類。
 一つ目は、鏡の悪魔としての性質。合わせ鏡は悪魔の通り道だし、自己像幻視autoscopyもそこからやってきた様子。
 この能力により、街中で鏡の悪魔を捉えることが難しいことが判明している。特殊な対策をしなければならないから、今後似たケースが発生した場合は気をつけなくてはならない。

 二つ目は、ドッペルゲンガーとしての性質。
 単純に他人に成り代われるだけ。ただし、見た目のみ、帯びている神秘を含む、記憶まで含む、といった少なくとも三段階の成り代わりが可能であることを確認済みだ。
 一つ目の能力と合わせて、自己像幻視autoscopyの確保は非常に難しいと言える。

 三つ目は……もしかしたら、今回出会った個体にだけ言えることかもしれないけど。その場に相対している者が、互いに何かしらの遊びに縛られる現象。
 今回の鬼ごっこもそれの一環。何かを投擲されても、ドッジボールだと思えばお互い軽傷になるし、逆にだるまさんが転んだをされてしまうと、そのルールに則って動かなくてはいけなくなる。
 そんな不思議な制約を何故有していたのかは、未だに判明していない。詳細不明な能力だから、今後も注意しなくてはいけない。

 そのあたりについては、神秘管理局にも報告した。
 今頃情報の精査が完了し、データベースに保存されていることだろう。
 これで自己像幻視autoscopyによる被害が減ってくれればいいんだけど。