RECORD

Eno.232 月影誠の記録

9/27、9/28

……ずっと。
ずっと「生きていていい」と言ってもらいたかったんだと思う。
ずっと誰かに自分を肯定してもらいたかったんだと思う。

思う、というのは自覚がなくて推測が交じるから。
医者から「感情を抑制しようとする癖がある」と言われたから、
分からないと思ってしまうのはそのせいなのだろう。

家族の話を誰かにするつもりはなかった。
自分が応えられなかったのがいけないのだから。
自分が生まれてきたことが罪だったのだから。

ずっと。そうやって言い聞かせてきた。
誰も加害しないように。誰も傷つけないように。
自分が悪いのだと。出来損ないで、兄のようになれない自分が。


[北摩湖][湖畔]
アヤメ [Eno.763] 2025-09-27 21:58:43 No.6620596

>>6619969
「その事実を、誠さんは"良し"にしないじゃないですか。
 ……よそにいっぱい居ましたよ、殺したいがままに殺すような人。
 私のように、人の命なんか紙切れのように吹き飛ばす人。
 感情なんかとっくに麻痺して、何も感じなくなった人……。

 ……あなたは、誠に命と向き合える優しい人だから。
 だから私は、好きになったんです」

明確な殺戮衝動を持って、それを楽しいと思ってしまう。
それは確かに、疑いようのない事実だ。
けれど、その事が嫌だと感じているのもまた事実だろう。
越えてはならない一線を引いて、必死に越えないようにしている。
自分の日常を決して捨てきらずに生きてきた事は、
あなたの強さとも言えるのではないだろうか。

「……私は」

「誠さんが生まれてくれて、こうして私と生きて出会ってくれて。
 ……本当に良かったと、そう思ってますよ」

生まれてこなきゃ良かった、なんて言われたと知れば。
ハッキリとした声でそう言って。

「……誠さん」
「以前、将来の事について話しましたよね。
 猟師になろうと思うとか。学校でも話しましたけど……」

「……今でもその将来に、私は居ますか?」

目線は真っ直ぐのままではあるけれど。
これからも生き続けるであろうあなたに、言葉を投げかけた。

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[北摩湖][湖畔]
アヤメ [Eno.763] 2025-09-27 23:24:37 No.6623449

>>6622820
「…………それでいい。
 今は、それで大丈夫」

溜まった膿を吐き出させるように。
誰にも言えず、心に溜め込んでいた言葉を露呈させるように。
その自責を否定せずに肯定し、ただ優しく抱きしめた。

──ずっとずっと、苦しかったんだろうな。
誰にも言えず、自分を責めて責め続けて。
こんなボロボロの状態になるまで、堪え続けていたんだ──。

「いっぱい泣いて、いっぱい吐き出したら、また頑張りましょ。
 出来るだけ傍に居ますから、二人で日常を取り戻していきましょ。
 自分を許せないのは、お互い様ですから」

アヤメは今も、自分の事が好きにはなれない。
自分を許せるようになるのは、もっともっと先の話だろう。
……それはきっと、彼も同じこと。

「……誠さん」
「生きててくれて、ありがとう」

深い自己否定の末に、そんな選択を取ってもおかしい話じゃなかった。
それでも必死に生き続けてくれた事。必死に生きようとしている事。

それはきっと、強くなきゃ出来ないことだと思うから。

発言を一時的に非表示にする


抱き締められて、肯定されて。
ずっと堪えてきたものが決壊して。
こんなこと誰にも見せるべきじゃないのに。
堪えなきゃいけないのに。

あまりにも、あたたかかったから。

こみ上げてくるものが堪えられなくて。
みっともなく、大声で喚いて泣き叫んだ。


本当は、ずっと。ずっとずっとずっと。
食べさせてもらえなかったことも。無理やり勉強をさせられたことも。
比べられてきたことも。怒鳴られてきたことも。
否定されてきたことも。自分のやることが許されなかったことも。
床に額を擦りつけたときも。靴の泥を舐め取らされたことも。

ずっとずっとずっと。苦しかったんだよ。







……そうして日曜日の夜。
兄貴が電話をかけてくるだろう時間の、凡そ一時間前だ。
何やら翼が考えがあると言っていて、ヘッドフォンの調達を頼まれた。

電話をしながら指示にしたがい、あれこれと準備をする。



「あー……使い方これで合うとる?」



「完璧っきゃ。
 とりあえずお前が彼女によしよしされて
 ええ感じにしゅっとしたんは聞いたけど」



「兄貴とのイタ電が解決したわけとちゃうんやろ?
 っちゅうことでちょっと俺らと遊んでもらおか」



「高校の友達もお前が一緒なん了承してくれたで。
 遊べるやつが多いに越したことはないやって。
 皆に感謝しぃや~」



「でも俺流行りのゲームとかなーんも持っとらんぞ。
 やったこともあらへんし」



「そこら辺は大丈夫や。
 今日やるんはルールも簡単、ブラウザで無料で遊べる
 はちゃめちゃイカしたゲームや」



「あ、そういうんあるんや、へぇ。ほな俺でも遊べるか。
 ……遊び方は教えてくれるんやろな?」



「そらあモチのロンやんけ。
 別に俺らはお前を虐めたいわけとちゃう」



「っちゅうことで。始めんで。
 まずは招待を受け取って……そうそう。
 もうさっさと通話繋いだ方が早いな。
 そこのマイクのボタンぽちしぃや」



「おう。これやな。
 えー、これで通話が繋がっ」



「皆~~~誠連れてきたで!
 オールナイトごっ〇ぃの時間や!!



「オールナイトご〇ふぃ!?!?」




そんなこんなで男子高生特融のアホのノリで妙なゲームをオールナイトでやらされることになった。
なお見事に寝落ちした。