RECORD
Eno.270 猫の記録
猫の記憶22
■伝承について■
お唐様。唐猫様。
それは、突然転がってきたとされる。
拾った者の田は、恵まれ、良い米が採れるようになった。
それを羨ましく思ったものが、唐猫様を借りていけば、
たちまちその人は病にかかりなくなった。
ある時は、人の願いを叶え、水害からも守ったという。
唐猫様を運ぼうとした際には、やはりが流行ったそうだ。
唐猫様は水の神とされる。
お唐様は元々は猫であったもの。
傲慢だった猫が肥大して、恐れられ、孤独となり
月明かりに照らされその身体に木を生やしていったという。
寂しさから池に飛び込もうとし、池を覗き己の姿を見た猫は恐れ、ひどく泣いたという。
雨に降られ、風に煽られしても、身を動かずとして、祠の前から動かずし
己の死を考え、生を振り返り神の怒りに触れたことに気がついた猫は
運命を受け入れたという。
人々はそんな猫を畏怖した。そのうち人々は祠の前にいる猫に拝み始めた。
それから、噂が立った。
『猫に願うと、叶えてくれる』
祀られるようになったのはそれからだという。
月の象徴とされる猫のための祭りは、決まって満月の日だという。
■■県/■■県 伝承より引用
この猫の姿は曖昧で、名前だけで調べるならば。
時には虎、時には馬、時には猫、時には石像。
時には狛犬。
生き物か、物かも曖昧なもの、らしい。
元より、自分の名前は
雨乞い伝説のある土地の名である。
いつまでも湧き出る水の伝説のある土地の名である。
なぜこの名をつけたのか。
親に聞けずにいたのだが、少しだけ納得するものがあった。
神秘に関しても、そうだ。
昔から。願うと嫌に願いがかなっていた。
家族が消えれば、家族は事故で皆なくなったらしい。
消えてしまいたい、事件に巻き込まれた。
一人は寂しい。友達が欲しい、私の全てを受け入れる友人が現れた。
家族が欲しい、受け入れてくれた友人が、家族になろうと手を伸ばす。
家族に会いたい、死んだはずの妹が、裏世界にいると聞いた。
怖かった。
『月に狂いたいと言ったな』
『何も考えなくていい』
何かに見られる感覚。
意識を委ねてはならない。
月は、嫌いだ。
月は人を狂わせる。
親は、自分を見ず、月ばかり見ていたよ。
妹は、月に手を伸ばした。願いを叶えるために。
![]()
きっとそう。だから狂ってるんだ。
姉も。事故で行方不明と聞いた。
神様が好きだったのだと思う。山の奥によく行っていたから。
私は何も知らなかったから。
でも知ってしまったから。
……。
でも。私も空を見上げてるじゃないか。
月は、綺麗だから。月を探すのでしょう。
どこまでが本当の記憶だ……?
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お唐様。唐猫様。
それは、突然転がってきたとされる。
拾った者の田は、恵まれ、良い米が採れるようになった。
それを羨ましく思ったものが、唐猫様を借りていけば、
たちまちその人は病にかかりなくなった。
ある時は、人の願いを叶え、水害からも守ったという。
唐猫様を運ぼうとした際には、やはりが流行ったそうだ。
唐猫様は水の神とされる。
お唐様は元々は猫であったもの。
傲慢だった猫が肥大して、恐れられ、孤独となり
月明かりに照らされその身体に木を生やしていったという。
寂しさから池に飛び込もうとし、池を覗き己の姿を見た猫は恐れ、ひどく泣いたという。
雨に降られ、風に煽られしても、身を動かずとして、祠の前から動かずし
己の死を考え、生を振り返り神の怒りに触れたことに気がついた猫は
運命を受け入れたという。
人々はそんな猫を畏怖した。そのうち人々は祠の前にいる猫に拝み始めた。
それから、噂が立った。
『猫に願うと、叶えてくれる』
祀られるようになったのはそれからだという。
月の象徴とされる猫のための祭りは、決まって満月の日だという。
■■県/■■県 伝承より引用
この猫の姿は曖昧で、名前だけで調べるならば。
時には虎、時には馬、時には猫、時には石像。
時には狛犬。
生き物か、物かも曖昧なもの、らしい。
元より、自分の名前は
雨乞い伝説のある土地の名である。
いつまでも湧き出る水の伝説のある土地の名である。
なぜこの名をつけたのか。
親に聞けずにいたのだが、少しだけ納得するものがあった。
神秘に関しても、そうだ。
昔から。願うと嫌に願いがかなっていた。
家族が消えれば、家族は事故で皆なくなったらしい。
消えてしまいたい、事件に巻き込まれた。
一人は寂しい。友達が欲しい、私の全てを受け入れる友人が現れた。
家族が欲しい、受け入れてくれた友人が、家族になろうと手を伸ばす。
家族に会いたい、死んだはずの妹が、裏世界にいると聞いた。
怖かった。
『月に狂いたいと言ったな』
『何も考えなくていい』
何かに見られる感覚。
意識を委ねてはならない。
月は、嫌いだ。
月は人を狂わせる。
親は、自分を見ず、月ばかり見ていたよ。
妹は、月に手を伸ばした。願いを叶えるために。
猫実さんちは、狂ってる。ありゃ猫憑きだよ
きっとそう。だから狂ってるんだ。
姉も。事故で行方不明と聞いた。
神様が好きだったのだと思う。山の奥によく行っていたから。
私は何も知らなかったから。
でも知ってしまったから。
……。
でも。私も空を見上げてるじゃないか。
月は、綺麗だから。月を探すのでしょう。
どこまでが本当の記憶だ……?
一人は寂しいだろうに。だから、傍に