RECORD

Eno.361 ジャンヌ土岐マリアムの記録

悪魔の力、目覚める時

私と鈴菜が高等部に入ってすぐのGW。緋月啓真誅殺任務が発動する。
件の旅館には私と鈴菜、そして正規職員の人達が警備に当たる。
私と鈴菜は「五月病の療養旅行」という名目だった。
観光客などの振りをして、啓真が姿を現さないかを探していく。
もちろん、啓真が使う「トンネル」が他の宿泊客の部屋であったならどうしようもないが……
それでも、ということだ。

だがしかし、運命を変えることは出来なかった。
火災報知機の音がけたたましく鳴り響く。旅館の人達が消火器をもって慌ただしく走り始めたが、既に火は猛火の様相を呈していた。

私と鈴菜のデバイスに連絡が入る。

「作戦Bに移行する。裏世界にて表とのトンネルを行き来する啓真を捜索。発見し次第誅殺せよ」

私と鈴菜は、近くで見つけた「入口」から裏世界へと入っていった。

私と鈴菜が裏世界に入る頃、デバイスに新たな情報が入った。

「緋月啓真を発見! これより戦闘を開始する! 場所の座標は──」

私たちは、すぐさまその座標の示す場に向かった。
だがその途中、不穏な通信が入る。

「報告! 報告!! ダメだ、みんな、こっちに来るな!! 奴は俺達の攻撃を──」

その通信はそこで終わってしまった。
だが私はその程度で怯むことはなく。鈴菜とともに現場に向かっていった。

そうして、辿り着く。緋月啓真が居る場所に。他の正規職員の人達よりも、先に。

啓真は私に気づけばその口を開く。

「おや、君は……思い出した。私が『火種』を回収しに行った時の子供か。奇遇だね。今回は引き金を引けるようになってきたかな・・・・・・・・・・・・・・・・・?」


嘲り笑うかのような啓真の表情と声を聞き、私は怒りを全身に纏った。

「ああ、バッチリだ。貴様があの日私によこしたプレゼントのお陰でな!」



私は即時剣を構える。
だが、その時。私の目に複数の人達が見えた。怯えようからしてどう考えても管理局関連の人ではない。

「人質か。相も変わらずゲスな思考だ」


「防衛戦略と呼びたまえ。さっき連絡をしていた管理局の人間の叫び声を聞いたはずだが?」


「構うものか。どうせ攻撃の反射とか跳弾化とか、そういう類のものだろう。ならば、それに対抗する回復力を持つものが居ればいい」



そうして私は、鈴菜に耳打ちする。
「お前の回復力なら、跳弾化しただけの攻撃のダメージなんてすぐに回復できるだろう。──頼むぞ」
と。
鈴菜は戸惑いながらも……私が啓真の下に駆け出すと同時、祈りの力による治癒術の準備を始めようとしていた。
そして、私はと言えば──


声が、聞こえた。私の中に潜む悪魔の名前と共に──