RECORD

Eno.763 天堂アヤメの記録

私の道

私は復讐者だ。
辱めを受け、親を殺され、親友を失って。
その痛みを復讐という形で誤魔化し続けてきた殺人鬼だ。

そんな私にも、大切にしたいものが出来た。
燃えるような憤怒の感情を忘れさせてくれる、愛しい人が出来た。
その人の為に復讐を忘れることだって、出来ないことじゃなかった。

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アヤメ [Eno.763] 2026-01-24 13:19:22 No.8143844

>>8143641
「私だって、復讐心を捨てたくない。
 理不尽に奪われて、嘲られて、捨てられた過去を忘れられない。
 のうのうと生き残って、私だけが生を享受してるって考えると気が狂いそうになる。
 家族は、友達は、みんな死んじゃったのに。
 なんで私だけ生きてるのか、意味が分からなくなる。許せなくなる」


復讐心も、自己否定も、あなたを愛する気持ちも。
全て、心の底からの本心で。全て、否定出来ないもので。
けれど、それは幸せを捨てる修羅の道。そんなの、分かりきっていて。

「……でも、それでも。
 貴方が行かないでって言ってくれたのは、うれしいの。
 もう復讐なんかどうでも良くなっちゃうくらいに、苦しいくらいに嬉しい。
 それも、本心なんだよ」


だからこそ、欲していた言葉は嬉しくて。
同時に苦しいものでもあって、どう受け止めればいいか分からない。
それを受け入れれば、自分は何者にでもなくなってしまうから。

「だから、だからね。
 復讐をやめたら、きっと私は空っぽになっちゃうけど。
 それでも、行かないでって強く引き留めて欲しい。
 私に、生きて良いって言って欲しいんだ。
 何も出来ない私でも、それでも良いんだよって言って欲しいんだよ」


理不尽に対して何も出来なかった怒りが復讐者を生んだ。
その怒りを包み込んで、何も出来なかった自分を全て赦してくれるなら。
少しずつでも、もう一つの道を歩めると思うんだ。

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彼は私に『行ってほしくない』と言ってくれた。
心の中に湧いた、もう1つの本心が求めていた言葉を告げてくれた。
だから……力強く、ハッキリと言ってくれるのであれば、諦められると。

そう、思っていたのだけれど。

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[Eno.232] 2026-01-24 13:35:38 No.8144000

>>8143844
「……復讐を捨てたって。
 アヤメはアヤメで、俺は変わらずアヤメのことを
 愛し続けるよ。
 それは約束するし、絶対に裏切らない」

復讐を成し遂げても、引き留めても。
きっと……空っぽにはなってしまうのだろう。
復讐とはそういうものだ。そのために生きて、終われば何も残らない。

まるで線香花火だ。
復讐に至るまでは輝いて、復讐の間際に一際強く輝いて。
そうして。落ちて、消える。


「…………だけど」
「復讐をやめるのは……少しだけ待って欲しい。
 どうにかして、お互いが本当に心から納得できる形を探したい」

例えばほんの少しだけこちらからいなくなるだけで
済ませることができるような。
あなたの命綱になるような保険を準備して臨ませるだとか。

本当にそんな術があるかなんて分からない。
けれど、分からないのが神秘ならば。

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[Eno.232] 2026-01-24 13:36:43 No.8144009

>>8143844
「ーー 俺は復讐を望む心も、ここで幸せになる未来も、
 どっちも守りたい」


可能性は、ゼロじゃないはずだろ。

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……彼は、力強い言葉で、どちらの道も選んだ。
片方の本心を諦めることなく、一番難しいかもしれない道を選んでくれた。
そこには、弱々しさなんて一つもなくて。
ただただ、彼は夜の満月のように輝いていた。




……きっとまだ、彼を巻き込む事に負い目を感じている。
けれど、彼に頼ることでどちらもを得られるのなら、そうしたい。
そうする覚悟を、改めてあの場でした。

だから、見てて。
必ず、復讐を果たして貴方の元に帰るから。

絶対に────。