RECORD

Eno.2716 春夏冬 千尋の記録

初恋、諦観。

僕は恋を知りました。……初恋です。
あの時はシンプルに慌てふためいたけど落ち着いた今なら、わかる気がする。

宝石のような赤い目も……
綺麗な銀髪も……
あったかい体温も……
小さい手のひらも……
若干素直じゃないあの声も……
美味しいくて、僕のために作ってくれた料理も……

きっとこれ全部が好きになる要因だったんだろうな。
でも好きだからこそ言えなくて。
こんな僕じゃダメなんだ。
もっと僕より気がまわって。もっと僕より強くて。
僕より優しくて、僕より懐が深かくて、僕より貴方を受け入れてくれる。
そんな人が貴方には似合う。似合いすぎる。
それと同時に……僕がそれになれないこともわかっている。
あぁ、だから……自分なんか恋人になって良いわけがない。
どうか、どうか……幸せになってください。僕の愛する人、僕の愛すべき人。
自分じゃない、他の誰かと。僕を一番よく知る貴方・・・・・・・・だからこそ。
貴方の、隣に立つのは僕じゃない隣にはもっと相応しい人がいる
僕じゃなくていいんだ。
僕の淡い初恋は、もう。
終わりでいい。