RECORD

Eno.32 不藤識の記録

record. 『暗がりに雑踏、熱は何処』

 夜の街。
 裏側の街。

 雑踏から離れれば、そこは怪奇蠢く帳の裏側。
 そんなところで二度も人と出会うとは。


 片やマ法少女。
 なんだそりゃ、という気持ちもあり、そんなにペラペラ喋っていいのか、という不安もあったし、なんだか会話してて心配のタネが尽きなかったけれど。

――海の話には、とても引き込まれた。

 はて。あの時見た美女は、一体誰なのか。
 名前は知った。連絡先も知った。けれど、海を憂う顔は知らない人のもので。
 人間(?)、誰しも色んな顔を持つものなんだなと、深く理解した。
 彼女の熱は、きっと海にあるのだろう。


 不思議な迷子ちゃんにも出会った。
 身長差凡そ30cm。言動からも察するに、恐らく中学生以下。
 とはいえなーんで武闘漫画知ってるのか。親御さんの影響かな。不思議。
 裏で迷子になるんじゃたまったもんじゃない。取り敢えず案内したけど、ナンパと勘違いされっぱなしになってないかは心配。
 それならそれでいいんだけど。
 彼女も裏側に関わりのある人間らしいし、今後に期待したい。
 あの胆力は、何処かに熱を持ってないと中々出せないものだろうから。


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 そうやって、裏側での交流が増えれば増えるほど、自身は神秘に傾倒していく訳で。
 不安になるところもあるけれど、表で月待と遊べたのは良かったかな。最終的には収支プラス、大儲けだ。
 まぁ、結局こっくりさんには出会えなかったわけだけど……あ、10円玉はさっさと消費しとかなきゃ。surfも来てら。

 そうだね。
 またいつか、彼女に将来のことを話してみようか。
 いつか。……熱が冷めてなければね。