RECORD

Eno.26 朔 初の記録

CASE:26



──夕暮れ時の色は綺麗なものだった。
それらが急に、真っ赤な炎みたいに燃え上がった。


怖がった。


「夕焼けが赤い時にはよく癇癪を起こすようにパニックになった」



「赤色が嫌い」



「…お母さんをおかしくさせて」



「お父さんを殺した火の色だから」



だから、裏世界の空の色が苦手だ。
いつまでも黄昏の時にいる。
早く暗がりに染まってほしかった。
早く朝焼けが欲しかった。
せめてそれらがほしかった。
そうならない場所だったのを知っている。


あの子たちは、自分の生んだイマジナリーであることを知っている。
私を虐めたり、しない、はずで。

はず、で、


はずなん、







…………





「………」



「……痛いよ」




私を、私の中身ごと。
私の大切な物ごと。


──割れる音がした。


水の音がした。