RECORD
Eno.14 卯日 蜜奈の記録
予習、復習が済んで、お仕事の話も終わって。
家のことも済んで、それから寝る前までは──"読書"をするのが日課になっていた。
でもどうしてかな。高校になってからは中学より身が入らなくなっている気がする。
そして多分、それは自分がオタク離れをしているからではない。
今で尚、作品内の男の子や、関係性に対しては新鮮に熱をあげられている。
でも。現実で起こることのひとつひとつの方が、レイヤーが上にある。そんな感じ。
──屋上からの景色を見た。学園もの、その青春にはつきもののロケーション。
規則とか将来とか、そういうのに想いを馳せて、あの人が、自分が、自分を認めてあげる。
「変わるのって勇気がいることだからね」
「でかい夢に向かって進んでくの、オレも応援するよ」
もしこれが作品内のお話とかだったら、春らしい風とか、
下には部活の練習風景とか、情景描写がいくつも流れて行って、
より青春らしい舞台を形作っていったのだろう。
けれどあたしにとっては、今目の前にあって、今耳にする言葉だけしか、頭に入らなかった。
それだけ、大切にしたいものがあったから。
──お祈りのために深夜から出歩いて、チャペルに向かったこともあった。
聖女モノ、と一括りにするには天使様に畏れ多いけど。
そこであたしはつい最近聖堂を離れた者として、
つい最近聖堂に入ってきた男の子と出会う。まるで対比。
広い世界に飛び出すその子と、聖なる教えに触れていくあの子。
まるで反対みたいなのに、交わす言葉はどちらも、お互いのためを思うような。
「ふふ、そうだな。俺らは素敵で偉いってことだ」
「危なくなったら呼べ、一人より二人だ」
お話ほど現実離れしたようなことはあんまりない。ほんのちょっと、アクセント程度だけ。
なんなら、バーベキュー場で会うぐらいにはなんて事のない風景。
ここにも夢のような話はない。あたしは追放されたりとかしてないし、
神秘があっても、分かりやすい聖なる力はどこにもない。
されど目指したい人生の先があって、
守りたい今があって、あたしはそれに凄く共感をする。それだけで、前向きに歩く力になる。
──星を見た。正確には、星をみるひとを見た。
いつもなら出歩かない時間に、偶然そのひとはそこにいた。
まるで宇宙の何処かから突然現れたみたいに。
そして、あたしの知らなかった、けれどすぐ近くにあった世界のことを教えてくれた。
その代わりに、あたしも、あたしの傍にあって、進みたい世界の話をした。
お互いに見ているものは違う。それでも、重なり合う部分が合って、
どんなに遠くからでも相手に寄り添える部分はあるのだと。そう、強く感じた。
「ううん、ううん!すごく素敵だと思いますっ!」
「願うなら。いつだって背中を押しましょう」
それは星一つも、市町村ほどの距離でさえも隔てていない、
地に足付いた目の前のお話。夢は遠く、遠いこと自体が輝きとなり、皆を照らしている。
あたし達はそれを、これからも別々の場所で追い続けるのだろう。
それでも、どんな距離でも、助けになれることがあるのだと、あたしは知っている。
本を開いているのに考えるのは空想ではなく、本当にあったことばかり。

火照る頬を両の手で押さえた。
先輩は、「熱に纏わる神秘」を、料理とかから由来するものだと言ってたけど、
あたしは多分、"こっち"も関係してるんじゃないかって思っている。
身の回りの現実が充実していく。それこそ、まるで夢のように。
実感するたび、あたしは前へ、前へと進んでいく。
その先に待つものを、畏れを、君たちの言葉に支えられて、呑み込んでいく。
……いきたいな、とおもった。
夢見たいあたしの、夢みたいな話
予習、復習が済んで、お仕事の話も終わって。
家のことも済んで、それから寝る前までは──"読書"をするのが日課になっていた。
でもどうしてかな。高校になってからは中学より身が入らなくなっている気がする。
そして多分、それは自分がオタク離れをしているからではない。
今で尚、作品内の男の子や、関係性に対しては新鮮に熱をあげられている。
でも。現実で起こることのひとつひとつの方が、レイヤーが上にある。そんな感じ。
──屋上からの景色を見た。学園もの、その青春にはつきもののロケーション。
規則とか将来とか、そういうのに想いを馳せて、あの人が、自分が、自分を認めてあげる。
「変わるのって勇気がいることだからね」
「でかい夢に向かって進んでくの、オレも応援するよ」
もしこれが作品内のお話とかだったら、春らしい風とか、
下には部活の練習風景とか、情景描写がいくつも流れて行って、
より青春らしい舞台を形作っていったのだろう。
けれどあたしにとっては、今目の前にあって、今耳にする言葉だけしか、頭に入らなかった。
それだけ、大切にしたいものがあったから。
──お祈りのために深夜から出歩いて、チャペルに向かったこともあった。
聖女モノ、と一括りにするには天使様に畏れ多いけど。
そこであたしはつい最近聖堂を離れた者として、
つい最近聖堂に入ってきた男の子と出会う。まるで対比。
広い世界に飛び出すその子と、聖なる教えに触れていくあの子。
まるで反対みたいなのに、交わす言葉はどちらも、お互いのためを思うような。
「ふふ、そうだな。俺らは素敵で偉いってことだ」
「危なくなったら呼べ、一人より二人だ」
お話ほど現実離れしたようなことはあんまりない。ほんのちょっと、アクセント程度だけ。
なんなら、バーベキュー場で会うぐらいにはなんて事のない風景。
ここにも夢のような話はない。あたしは追放されたりとかしてないし、
神秘があっても、分かりやすい聖なる力はどこにもない。
されど目指したい人生の先があって、
守りたい今があって、あたしはそれに凄く共感をする。それだけで、前向きに歩く力になる。
──星を見た。正確には、星をみるひとを見た。
いつもなら出歩かない時間に、偶然そのひとはそこにいた。
まるで宇宙の何処かから突然現れたみたいに。
そして、あたしの知らなかった、けれどすぐ近くにあった世界のことを教えてくれた。
その代わりに、あたしも、あたしの傍にあって、進みたい世界の話をした。
お互いに見ているものは違う。それでも、重なり合う部分が合って、
どんなに遠くからでも相手に寄り添える部分はあるのだと。そう、強く感じた。
「ううん、ううん!すごく素敵だと思いますっ!」
「願うなら。いつだって背中を押しましょう」
それは星一つも、市町村ほどの距離でさえも隔てていない、
地に足付いた目の前のお話。夢は遠く、遠いこと自体が輝きとなり、皆を照らしている。
あたし達はそれを、これからも別々の場所で追い続けるのだろう。
それでも、どんな距離でも、助けになれることがあるのだと、あたしは知っている。
本を開いているのに考えるのは空想ではなく、本当にあったことばかり。

「……うわ~……!」
火照る頬を両の手で押さえた。
先輩は、「熱に纏わる神秘」を、料理とかから由来するものだと言ってたけど、
あたしは多分、"こっち"も関係してるんじゃないかって思っている。
身の回りの現実が充実していく。それこそ、まるで夢のように。
実感するたび、あたしは前へ、前へと進んでいく。
その先に待つものを、畏れを、君たちの言葉に支えられて、呑み込んでいく。
……いきたいな、とおもった。