RECORD

Eno.77 磯向井 利慕の記録

❖回顧録

「裏世界」


「それは、科学的ではない場所」


「一人ひとり、解明しようと思えば出来るだろう。
 けれど、そうしてどうなる」


「暴かれた神秘は消滅し、怪奇はどうなってしまう?」


「なあ。アンタが消滅する時、俺はどうなる?」



「ま、答える訳ないか」



 帽子を揺らす。
 鉄で出来たボールが一つ、机に転がる。
 角張りもない球体。それは、この高専で学んだ成果だ。

「内容が書かれたレポートも作れるようになったら良いのになぁ」


「って、ヤベヤベ。
 使わないって言った手前、癖でつい造っちまった」


『テアーゼ』


「これで消えるのも、変な話だよな」