RECORD
第壱話:長者の笥①
――神秘管理局、裏駐屯地
駐屯地にツカツカと入って来た男が、
奥へ行く前に局員に止められて何か話している。
「約束は取り付けてある。六十年前の七月だ。
尤も直接取り交わしたのは管理局じゃなかったかもしれねぇが」
局員
「あ~……では確認して来ますのでお待ちください」
局員は一旦奥へ引っ込み、
待たされた男はその辺に腰掛けて葉巻を吹かし始めた。
>>106788
「急げよ。期限に追われてんのは乃公じゃなくお前らだ。
おい、そこの。茶」
別の局員
「えっ!? は、はあ。持って来ます……」
態度デカデカ。
>>106922
しばらくの後、最初に応対した局員が戻ってくる。
局員は男に何事かを説明する。
「ああ、それで合ってる。保管庫はあっちか?」
局員
「ちょ、部外者が無断では流石に……」
猴嶺王
「中まで入りやしねぇよ。ブツはお前が取ってくりゃ良い。
早くしろ。貸したモンは期限までに改められなきゃならん。
にしても管理局ってのは――コロニストもそうだが、
やはり随分行儀が良いな」
ずかずか奥へ向かう男と、
それを済し崩し的に案内する局員。
両名の姿は人目のある場所からは消えていった。
――裏駐屯地内、資料室
「そこでお待ちくださいね!
入ってくるのはNGですから! 正式には許可取ってないんで!」
これは資料か何かを探しに来たらしき局員。
小声で念を押しながら奥へ消えていく。
会釈に気付いて片眉を上げ、
「気にするな、続けろ」とばかりに手で払う仕草をした。
愛想の良い人物というわけではないようだ。
局員の要求は聞き入れたのか、入り口付近から動く様子はない。
>>108543
しばらくして戻って来た局員は男に木箱を差し出す。
男は断りも入れずにその蓋を開けた。
中から出てきたのは盃一つのみ。
「合ってますか」と局員が問うと、男は頷いた。
猴嶺王
「お前らが受け取ったのがいつだか知らねぇが
よく見つけられる場所に保管してたもんだ。
これは今後も貸しておくって事で良いんだな?」
局員
「はあ、返却って判断ができるような立場でもないので……。
ていうか裏取りもまだなんですが、本当に持ち主なんですか?」
>>108964
「持ち主以外に見えるのか?
人間はどうも目も鼻も鈍くていけねぇよ」
男は手元に用意していた小さな紙切れを指先でなでつけた。
「次は半月だ。
半月経つ前に次はお前がそれを螺千城へ持ってこい」
局員はしばらく「期限が短すぎる」「何で私が」といった抗議をしていたが、男がそれを全く聞き入れないのでやがて二人の会話は終わった。
>>109179
「お前が請け負うのが嫌なら他の奴に頼むこった。
何、約束さえ蔑ろにしなきゃただ酒飲みを喜ばすだけの道具さ」
男は局員の恨みがましい目も意に介さず資料室を、
そしてこの駐屯地を出ていった。
「……」
やりとりを遠巻きに盗みた。
何を話してるのかまでは分からないかもしれないが。興味津々。
>>109076
場所柄ゆえに大きな声で話してはいなかったが、
それほど人目を憚っていた訳でもない。
大体の内容は聞こえたことだろう。
男が一度改めてから箱に戻した盃も
注視していれば十分に見えることができた。
>>109379
>>109076
「うう……アザコロめぇ……!
こっちは右も左も分かんない新人だっての……!」
なんかしらんけど巻き込まれた半泣きの局員さんが
とぼとぼ去っていく姿も多分(注意してれば)見えました。
>>109477
「あっ」
去っていく職員さんを見れば、それを追いかけ
待って待って!!と慌ただしく出ていったかも
>>109623
職員のスローなとぼとぼ歩きのおかげか、
殊の外すぐ近くで捉まえられた。
「あっ、さっきはどうも失礼しました……。
何か御用ですか?」
>>109725
「いえいえ、こちらこそ忙しいのに引き留めてしまって……」
引き留められた。よかった
「さっきのアレって何だったのかな〜?と思って……
何か大変そうでしたけど……」
尋ねる声は心なしかイキイキしている。好奇心旺盛だ。
>>109874
「あっ! さっきのって、“さっきの”ですよね!?
聞いてくれますか~!?
や、私もよく分からないんですけど、
昔どっかの団体を摘発した時に
神秘絡みの物品を回収したらしいんです。
その中に盃が混ざっててぇ……
そのまま管理局で長いこと保管してたそうなんです、その盃。
そしたらそれの持ち主だって名乗る怪奇がさっき急に来て!
“約束の期限が来たから盃を返すか延長するか選べ”とか
“約束を破ったら問答無用で祟る”とか言ってきたんですよぉ!」
(続)
>>110611
>>109874
要は“契約の更新期限が知らない間に迫ってました”という話らしい。
契約相手が怪奇であるため一段厄介な話になっているが。
恐らく盃の「貸出契約」を取り交わしたのは、
その過去に摘発された団体なのだろう。
管理局は、回収した盃と共にそれにまつわる契約まで
知らぬ間に引き継いでしまっていたようだ。
>>110662
>>110611
「なるほど、契約……」
話をきいたのち、ふむ、と考えるような仕草
「その持ち主……さっきの怪奇の方の身元とかは分かったりしないんですか?」
「見た感じ敵対する怪奇って感じでもなさそうでしたし、アザーサイドコロニストに連絡してみるとか……いえ、勿論対応は上の方が決めることとは思いますが……」
それはそれとして祟るぞは脅しとして大分怖いかもしれない
>>111091
「あ、身元は一応聞きました!
普段は“螺千城”ってとこに居るとか。
場所は北部の湖近くだったかな……。
でもあそこ怪奇だらけって聞くから
個人的には行きたくありません。絶対。
あと“コロニストを通す暇があったら直接来た方が身の為だ”
とかも言ってました。さっきの怪奇が」
一々言葉選びがコワイ。
「…………」
職員は何やら物言いたげにあなたをチラチラと窺っている。
>>111652
「螺千城」「そんなところがあるんだ……」
「なるほどなるほど……」
チラチラ見られているな……
「…………あの」
「……もしよろしければ、調査も兼ねて
俺が持っていきましょうか?あの盃……」
「勿論、管理局の許可が下りればですけど……」
>>112264
「え!? いいんですか!?
いやあそんな! 申し訳ない!」
すごくうれしそう!
「そんな」とか「かたじけない」とか色々言いながら
もう盃の入った箱をあなたに手渡そうとしている。
「やって頂けるんでしたら、
許可取りとか色々面倒なことはこっちでやっておきますよ!」
一番面倒な部分を押し付けるのだから当然ではある。
>>112695
「ああ〜元気になられて……」
盃を受け取った。今受け取ったら一晩預かる形になってしまうがいいんだろうか。いいか……
ダメだったら後から取りに行ったこととします。
「分かりました、では明日の午後にでも向かわせていただきますね……」
「上の方にはよろしくお願いします……」
そう言って、今日のところは帰ろうとするだろう。
自分が興味で首を突っ込んだことだ。最後まできちんと責任を持ちましょう。
>>114993
「大丈夫大丈夫! よろしくお願いしますよ!」
一刻も早く渡したい様子。
まあ本当にダメなものならここまで気軽には渡さないだろう。
今回持ち主が来たことで問題が浮上したものの、
モノ自体は厳重管理の対象にならない程度の品なのかもしれない。
翌日早朝、あなたは彼女から
“盃を持ち主に返却する許可が下りたので、
予定通り螺千城へ行ったらそのまま盃を返してきてほしい”
という連絡を受ける。
それとともに、盃の持ち主の名前や素性が分かる限りで記された
参考資料が送られてくるだろう。
持ち主の名は猴嶺王。
岩手県久陽山に伝承の残る怪奇である。
【螺千城エリア内で聞き込み的なRPをしていただければ見つけ次第反応します】















