蓋する中で巻き込んだものをぼんやりと知った。
好奇心を細かく切り分けることなぞ出来るはずがなかったから、全てに覆いを掛けた。
>>2543490
「いらな~い」
滑らかな語りを余すとこなく聞きはしても返事はこれ。
あなたは身近にいる高校以降の人生モデルのひとりだけど、その後追いかけられる程の熱量を人生の何処にも持てないんだ。
「仏教の大仏みたいなのって」
「こっちの世界にいそうじゃない?」
動く無機物も創造上の妖怪もいる裏世界じゃ、夢物語と一蹴するに惜しい話。本物に値するのかはさておいて。
引き返すような帰り道をぐるっと回ってどれくらい経ったろうか。
普遍的な硝子モドキの花共。話の種だけスクスクと。
揺れる花の煩わしさに、こちらはついぞそっぽも向いてしまった。
「会えたら良いですね」「もう会いましたか」
受け入れられる恐ろしさを知った。
抵抗をしてほしい、逃げてほしい、己を厭ってほしい。そんな心がよくよく分かる。
>>2497809
こんなところにまで共通点が!?
合縁奇縁にも程があるかも。
まぁ、やらかした結果失うだとか、
そういうのは良くある話なのかもしれないけど。
「なんでだろうね」
「……俺は、物事を確定させたから……」
「だと思ってるけど」
「本能で逃げようとしたら……」
「……や~、どうだろ。これは自惚れだけどさ」
「逃げようとする、イコール、殺害になるんじゃないかって」
「思わんくもない」
殺意がなくとも包丁を向けられたら、そしてそれが死に値するなら。
死に物狂いで抵抗するのが本能ってものじゃないか、とか。
そしてそれを、相手が否としたのなら。
タネは、割れてるんだ。本当はね。
「そんでも竜田揚げは美味いんだよな~!」
「業が深いよ、人間」
まだ全然美味しいんだよな。
二つ目頼んじゃおうかな……。
何やらかしたってさ、元気でいられちゃうんだ。
飯は美味いし眠るのだってするし、こうして他人とも話す。
あっちはそうは出来なくなったってのにね。
抵抗してほしいよな。是としてほしいよな。
誰が殺したいなんて、思うものか。
それなのに?それなのに!
喪う悼みは……もう十分に知った。
これ以上は要らない。欲しくない。
「じゃあ、三本にしましょうよ」
微糖の隣に堂々とカフェオレの缶を並べる。
この場に相応しくもない華美な詰襟の学生、ここに見参。
「忙しそうですね、秋日佐さん」
パソコンカタカタ真っ最中の隣に腰掛けて、
院生は院生で大変そうですなあと遠い目をした。
不意にあなたが現れて、他愛もない話をしていくのが楽しかった。
あなたと酒を飲み交わしたかった。そんな口約束もした筈なのに。
全て知っているならば、本当は何かを諦めるべきだった。
そうだな、分かっている。けれど。
>>2693682
玄関の扉の前、背中越しに君の言葉を受け取った。
「……ふふ。ええように思っとって?」
少しだけ肩を揺らして。
「お粗末様でした。
青年が無事でおってくれるなら、なんぼでも来たるよ」
「またね」
唐傘の先を静かに地面に落とす。
肩で押し上げるように引っかければ、ゆるりとした足取りで夕闇の中を去っていっただろう。
またね、なんて幾らでも聞きたいだろう?
己こそが一番の恐ろしいものであると、知っていても。
零れ落ちるまでは、足掻こうと思った。
強欲というのか、諦めが悪いと言うのか。
境界線を歩んでいる。足は未だそこにあって、転げかけながらも己は立っている。
終わりに至るまでは、藻掻きたいと思った。
無様でも、悲惨でも、嘲笑を受けても。
いつか、全て壊し尽くすとしても。


