RECORD

Eno.106 芟花艾の記録

𝘛𝘩𝘦 𝘖𝘯𝘦 𝘞𝘦 𝘗𝘳𝘢𝘺 𝘛𝘰

[北摩市国営公園][神秘管理局 裏北摩駐屯地]
かるかもか [Eno.107] 2025-07-25 17:50:05 No.4423065

>>4418976
「……こわく、ないよ。
 ……、は、ちょっと、うそだけど……」

あっという間に囲まれて。
身を守る術は、幽霊くんたちしかいなくて。
だけどいてくれるだけ、ましなのだろう。
本当にひとりだったなら、きっとこうして笑えていない。

「でも、こわいの、みんな一緒だと思ってるから。
 ……あ。…兄さん、も?」

そっちは、ちょっと自信がないかも。
自分よりずっと前から、裏世界のことを知ってる人が、
怪奇たちと戦うこと、どう思ってるのか……なんて。

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[北摩市国営公園][神秘管理局 裏北摩駐屯地]
かるかもぐさ [Eno.106] 2025-07-25 20:03:59 No.4430831

>>4423065
「そうだよね」
「よかった」

随分勇ましく裏世界に飛び込んで
あっという間に活躍してるから。心配だった。

「そりゃ怖いよ~
 怖くない方がさ、いろいろ鈍ると思うから」

「無茶に突っ込んだり協力者以上に動こうとしたり
 ……怖がり過ぎもよくないけど」

その点、萌花は震えて足が止まる程恐れてもなくて
進む意思があって。
向いてるんだな。良かったけど、やっぱちょっといやだったな。

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妹には裏世界で戦う才能がある―――なんて、嫌に決まってる。

裏世界も怪奇も俺にとっては関わるべきでないものでしかなくて
傷は癒えても、俺は弱く痛みは鮮明に覚えてて、
怪奇の前に出るのはいつだって勇気と諦めがいった。

萌花にそんな思いをしてほしくないなんて、
母さんと父さんの願いだった、もうそれだけじゃない。
諦めのつかない思いはある。



それでも、
こんな境遇でなければ出会ってない縁があって、
こんな境遇がなければ、俺はちゃんと萌花のお兄ちゃんにはなれなかった。


表にだって悲惨な事はいくらでもあって
裏に助けられてる人間だっている。
そう、違いはないのかもしれない。
拒まず知る努力をしてもいいのかも知れない。
おそろしいだけの場所にせず、学びの場として。







[多摩バウンダリー][迷子の通り道]
かるかもか [Eno.107] 2025-07-24 19:08:51 No.4360493

「え……本当にてけてけだ……」

上半身だけで動いてる。
ちょっと、今までの、人型の怪奇も嫌だったけど。
……かなり嫌だな……

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[多摩バウンダリー][迷子の通り道]
かるかもか [Eno.107] 2025-07-24 19:09:33 No.4360538

「―――」

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[多摩バウンダリー][迷子の通り道]
かるかもか [Eno.107] 2025-07-24 19:10:46 No.4360638

「……うん。だいじょうぶ……
 いっしょに、がんばろうね」

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――花の香りは影まで届き。


裏世界で、はじめてアイツを見た。







―――神様。

どうか、あなたが悪いものじゃないなら、
萌花を守ってください。

本当にこわいことは起こらずに、
これからは萌花のことをちゃんと見て、考えて、肩を並べて生きれるように。




「だからせめて、
 ここでの活動が萌花の為になったらいいと思うよ」


「これからも、焦って怪我なんてしないようにね」



「……うん。…大丈夫」

「約束したもん。
 兄さんに心配、かけないって」






 ―――膝を借りながら、思い出した。
 妹の世話ばかりでなかなか手を開けられず
 拗ねてた俺を手招いて、母さんがこうしてくれたこと。
 その香りを。

 なんて。少し母さんと重ねたなんて、言えないけど。
 俺はその香りにとてもとても安心した。




「だから、大丈夫だよ。…兄さん」






見上げる萌花に纏う鮮明なそれの姿と
つよいつよい花の香りがまとわりついていた。






細い枝のような手が、俺に伸びた。
鈴の音がうっすらと聞こえ。
なんだか俺まで守られているみたいだった。