覚えている。
誰かが忘れないままに抱えていること。
誰かが忘れないために書き綴ったこと。
誰かが忘れないように語ったこと。
人がそうしようと思う限りは、覚えている。
ただ。
人が忘れることを選んでしまえば、もう思い出せない。
話していて、ふっと思い出したこと。
[中央住宅街][アザーサイドコロニスト拠点]
連理
[Eno.1326]
2025-09-07 20:04:29
No.6163907
「ただいまただいま……」
成果なしのとり。
「うわ目が標識だ」
遠目にその瞳に気付き、言及するだろうか。
「道路標識の怪奇さん? 最近道路関係多いねえ やっぱ車でにんげんがいっぱいしぬから?」
︙
[中央住宅街][アザーサイドコロニスト拠点]
百堂
[Eno.896]
2025-09-07 20:08:10
No.6164035
>>6163907
「僕は標識っていうか道路の方なんですけどねえ、もう平成入ってからどこもかしこもコンクリートにガードレールに信号機で……」
「やっぱみんな怖いんでしょうねえ、車とか赤信号」
すっかり現代化しちゃった。
なんなら自分の道祖神が何処にあるかも思い出せない程度には儚いものである。伝承系怪奇の定めだね。
︙
道祖神。
そう、確かそれが自分の形ある依代。
もちろんそれよりずっと前からここにいたし、ずっと前から語られていたけど。
語り伝えられるものであるから、明白に「これは
それである」という形にされたものはそう多くない。それだけにそれなりに大切であったはず、なのだが。
人が忘れたくないと思う限りは、覚えている。
人が覚えている必要が無いと思ってしまえば、自分の記憶からも消えてしまう。
神秘の根本は伝承。
依代ひとつ忘れたところで消えやしないけど。
3代目であれば仕方ないと笑うだろう。
2代目であればそれが人間だと鼻を鳴らすだろう。
初代であれば、自分を知らないかと人に聞いて回っただろうか。
現象神秘に過ぎないそれが被る人の皮の性格は、まあなんともレパートリー豊かなもので。
4代目は?
別に口にする気も無いけど。
多分、まだ少し。誰かが思い出すのを待っている。
誰か。
誰か。
僕を、覚えてはいませんか。