Ino.9 タスケコナ島 - シマナガサレ
ハードコアスモール無言OK誰でも歓迎
岩戸ハードコア

Ino.9 タスケコナ島

岩戸面子+αのハードコアスモール島です。迷惑行為はやめようね。

STATS

7人 / 人数

ハードコア / 難易度

スモール / 広さ

OVERVIEW

特記事項は特になし

チャットとメッセージ

ゲーム中はチャットはALLと同じ表示がされ、またメッセージは公開されません。
エピローグ期間に入り次第チャットは通常公開され、メッセージはゲーム終了後に通常公開されます。


「杞憂だねえ。でも、そうだな。
 もしそうなったらより効率的かつ、先鋭的なひらめきを見せてあげよう」

海は開いている。
やがてこの時間が終われば、漂流は終わりを迎える。

あとほんのわずかな時間。
二人で海を眺めていた。

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1439 Eno.64 -> Eno.46
サエ

「じゃあ、それは照れ隠しってことにするわ。
ふふ」

伸ばした手で、白衣の袖を摘んだ。
そのまま同じ方向を見る。

「ニューさんの言ってること、
わからないことが時々あるわ。
あたしが天才じゃないからかも、だけど」

「でも、あたしを元気づけようとしてくれたのは
……わかるわ。
そうじゃなかったとしても、そうだってことにする。」

摘んだ袖を、少し揺らしてみた。
何かしてほしいわけじゃない。
頼ってもいいんだって、そう思っているだけ。

「この海をずうっと進んでも……
あの島のある、この世界がずっと続いていて。
あたしたちは帰れないのかもしれないって、
考えたりもしたのよ。」

「もしもそうだったら。
どこかでみんなで暮らすのも、いいわね」

もちろん帰りたいけれど、と小さく呟いた。

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「さあて、どうかな。
 どうでもいい事なら、君の判断に任せよう」

視線は海の方へ向けて。それから。

「恥知らずには、ならざるを得ないと思うけどね」

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1439 Eno.64 -> Eno.46
サエ

「なんて、……ふふ。どうでもいいわ。
大丈夫なら、どうでもいいの。
だけど回りくどいわよ。もっとかんたんでいいのに」

くすくすと笑って、もう一度手を伸ばしてみる。
そこに壁はないから。

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1439 Eno.64 -> Eno.46
サエ

「……恥知らずにはならないほうがいいと思うわ」

くるくる。
サングラスが陽の光を反射して光って、
少女はすこし眩しそうにした。

「サングラス……」

わざわざ、今掛けるのは。

「……照れ隠しだったり、する?」

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「君はこれから恥知らずの天才になる。
 それが約束されているから、大丈夫さ」

「断絶をいずれ乗り越えるなんて夢物語を、
 お互いに自信を持って語れるに違いないからね」

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「鈍いなあ君は。
 もう大丈夫だと僕は言ったんだよ?
 この天才がそう言えば、必然そうなるのさ」

くるくると回したサングラスを、再びかけて。

「僕は恥を知らない天才だし……」

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サエ

む、と眉根が寄る。怖い顔にはなれないけれど。

「──……あたし、はぐらかされようとしてる?

いまの話、それじゃあ。
ニューさんは自信がないから、
あたしのさっきのお願いがきけないっていうこと?」

安心させてほしいって言った、お願い。

「……自信がないから、
二度と会えないほうがいいって思ってる……?」

断絶を感じると言った、煌めき。

すこしだけ違うあなたを、じっと見つめる。

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1439 Eno.64 -> Eno.46
サエ

「──あ」

捕らえられた手が強く引かれ、一歩、二歩、前へ。
もとより近くに立っていたのにより近く、その笑顔を見上げて。

ぽかんと口をあけたまま、離れた手が振られるのを見ていた。
いちど、ぱちりと瞬き。

「……失敗するのが恥ずかしいのは、
きっと誰でもそうだわ。誰だって傷つきたくない。
だけど、それでも一歩踏み出せるかどうか、で。
あたしは、……あたしが──」

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引っ込んでいく手を、強引に捕まえて、ぐいっと引っ張る。
俯いた顔を無理やりに引き上げて、にこりと笑って見せた。

「"誰か"よりも優れている自分で居るならばいい。
 けれど、そうでない事が耐えられない。
 だから失敗を、恥を、恐れる」

「傷つきたくないと、心を後ろに向ける。
 それが、自信がないという事だ」

掴んだ手を離して、それをひらひらと振って見せた。

「──だから、君はもう大丈夫だ」

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「見当違いでは無いけれど、真理を閃けてはいないね。
 君が自信がある事を、もっと上手にする人が居る。
 想定していた出来事があって、自分には無理だとなる」

それはつまり、と繋げる。

「恥ずかしいのさ、君は。
 失敗するのが、それを誰かに見られるのが、評価されるのが。
 君は誰かの視線の、思考の、注目の中で、滑稽でみじめな姿をさらしたくないんだよ。
 それはとても恥ずかしい事だからね」

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1439 Eno.64 -> Eno.46
サエ

「ほかのひとがどうかは知らないけれど。
あたしは、あたしが自信のあることを……
もっとじょうずにするひとがいたら、そうなるわ。

もちろん、なんにだって上がいて、
上ばかり見ていたら自信なんて持てない、けれど。

……ほかには。
想定していたのを超えるできごとがあると、
あたしには無理ってなるかも。」

「……。そういうことじゃない?
全然見当違いのことを言っているかしら、あたし」

真意が読めなくて悩んでしまう。
今まさに自信が無いのでちょっとうつむいて、
先程伸ばした指先を、ゆるゆると引っ込めた。

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1439 Eno.64 -> Eno.46
サエ

「え……」

お願いきいてもらえなかったし、質問をされている。
でも多分、まじめに答えたほうがいい場面なんだろう。

「えっと、そうね……」

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「では問おうか、君は。
 人の自信というものが何故揺らぐんだと思う?」

波音が遠く、あるいは近くから聞こえる中。
問いかける。質問にまた質問を被せる。

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「ふむ……」

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1439 Eno.64 -> Eno.46
サエ

「出航したばかりで不安になることを言わないでよ。
いつもどおり……
僕は天才だからみんなをちゃんと帰らせるよ、とか、
そんな風に言ってほしいわ。」

実現しない可能性があることはきっと言わないんだろう。
そう思っているけど、

「嘘でもいいのよ。
ただ、あたしが安心したいだけのわがまま。
……お願いよ」

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1439 Eno.64 -> Eno.46
サエ

「……、少し見た目が違うだけ、だわ。
そうでしょう」

正面に立って、顔を見上げる。
好意的に見られていたのだと思うより先に、
不意に壁をつくられた気がして……
ほんのすこし、あなたに向かって手を伸ばした。
触れる訳でもなく。

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「お互いのいるべき場所へ戻れば、きっと二度と会う事は無いだろう。
 君のような、白く美しい"人間"を、僕は見た事が無かった。
 確かな断絶を感じるよ、煌めく程に」

くるくるとサングラスを回してみる。

「この船に乗って、漕ぎ出した先に、どこへ戻れるのかはわからないけれどね。
 僕らそれぞれの戻るべき場所へ戻れる保証は、まだ無いから」

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「ん、そうだねえ……
 言わんとする事は何となくわかるよ」

サングラスを外して。
君の方へ視線を送る。

「僕と君とは同じ"人間"だ。
 そして全く違う"人間"だ。
 ──人種とかそういう事ではなくてね」

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1439 Eno.64 -> Eno.46
サエ

「ねえ、ニューさん。
ニューさんはどこに帰るの?」

急にめちゃめちゃぼんやりした質問をしてくる少女だ。
甲板にいるあなたのところへやってきて、顔を覗き込む。

「遠い場所なのかしら。
えっと……つまり、あたしの帰る場所からみて
遠いのかしら。ってことだけれど……
ううん、何て言ったらいいのかな」

手をわちゃわちゃさせるが、説明が難しい。
住んでる場所どころか、世界が違うかもしれない。
曖昧にそう思っているけど。

「……いつかまた、会えると思う?」

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「あっそ」

そっけない返事。
名前を呼んだのが今更恥ずかしくなったのかも。
もう用はないとばかりに踵を返す。

不機嫌そうに尻尾がぶんぶん揺れて、
蹄の音が遠ざかっていった。

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「うん」

はじめて名前で呼んでくれたことをからかったりしない。
離れていく手をそのまま見送って、頷いた。

「あんたは、生意気で素直じゃないけれど。
会えて良かったと思うわ。ほんとうよ」

同じ言葉を返してほしいわけではないけど、
伝えたいことをちゃんと音にした。

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「バカみたいに辛気臭い声してるから仕方なくね。
 どれだけボクが優しくて出来た魔物かやっとわかったの?」

握られた手は、今度は振り払うことはなく。
かといって握り返すこともなく、そのまま。

「ふーん、面倒くさいんだね。人間社会って。
 まあ精々その機会が巡ってくるのを祈るといいよ」

「……頑張りすぎないでね、サエ」

頑張って、は言うべきではないと思ったから、
それだけ伝えて手を離した。

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「……励ましてくれるの、うれしい。
ありがとう」

もう一度お礼を言って、
きっと今度は、逃げないでいてくれると信じて。
目の前のあなたの手をそっと握る。

こちらの表情がどのくらいわかるのか、わからないし。
触れる手で、少しでも気持ちを伝えたかった。

「あたしにも色々あるのよ。
色々あるから……諦めなきゃだめなの。
でも、きっといつか、

いつか……また、夢に向かえたらいいなって、
そう思うわ。

アグにまた会ったとき、ダサいって言われないようにね!」

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