Ino.74 無名の島
クリスマスカラーの、あれ。(誘い合わせ済シマ)
STATS
2人 / 人数
サバイバル / 難易度
スモール / 広さ
OVERVIEW
ジーランティスで今再び邂逅するらしい。
チャットとメッセージ
ゲーム中はチャットはALLと同じ表示がされ、またメッセージは公開されません。
エピローグ期間に入り次第チャットは通常公開され、メッセージはゲーム終了後に通常公開されます。
「船なんて久しぶりだなぁ。
船酔いしないといいけど」
船上で風を受けながら、そんな心配をする。これまでは生死がかかっていたのだから、それと比べれば船酔いなんてどうってことはないのかもしれないけれど。
「この島ともお別れかぁ。
……いかだで海に出るなんてことにならなくてよかった。
それじゃあ、しばらくの間お世話になります」
船の乗組員に声をかけて船内へと乗り込んで行った。
「そうだね……俺も片付けてからいこうかな」
沈んでしまう島とはいえ、しばらくの間住居として使っていたそこの清掃を軽く行う。
荒れたままで出ていくのはあまり居心地が良くない。
「うん、こんなものかな」
必要な荷物をそりに積み込んだことを再度確認すると、風弥も拠点を後にした。
「でも、俺はこの島で、
俺は人間なんだって思い出せた気がして」
「それが、すごく嬉しかったよ。
船が来た時、俺はまだこんな声を出せるんだ!って、
胸の中に、火がついたような感じがして…」
ほどなく歩いて、船の浮かぶ場所に辿り着いたという事実が、
この島がもうすぐ沈むと教えてくれる。
「……俺、自分の異能、『嫌い』じゃないんだよ。
これでも、このチカラにずっと助けられてきたから」
「……」
「夜が明ける前には沈むかもな。」
波の音がすぐ側に聞こえる。
「……異能の影響が薄れた状態に慣れてきたからかな。
ちょっと……海が、『怖い』くらい近い」
「準備できたら、船の人に挨拶してこよう」
「俺もまだまだだな」
とにかく楽しそうだ。
……水位の上がった水底に、石像の一部のような物が見えた気もしたが、
ただの岩陰かもしれない。
「この海が、そもそもどういう海でどこの国が一番近い…とか、さっぱり分からないしな」
「ちょっと長い旅を、想定しよう」
「それで、美味しいものたくさん食べられるな……」
「有一くんの大きい声なんていつ聞いたかな……」
こっちもデカい声なんて年単位で出してなさそうですが。
「そうだね、せっかくだから持っていきたいものがあるなら忘れずに、だね」
「はあ はあ」
どんな探索よりも、
大声を出す方が精神的に疲れるらしい。
「じゃあ……この拠点ともお別れか」
「料理もいろいろつくったから、船に乗った後もしばらくはパンとスープ以外が食べられると思う」
「……助けが来てくれたんだね」
親友の声に答えるようにつぶやいた言葉には安堵が多分に含まれていた。
「よかったぁ……」
「俺たち、生きてる……!」
そのまま抱擁でもしてしまいそうな、
安堵の入り混じった大きな声。
船に向かって、続けて叫ぶ。
「……」
口を開く。
「……っ、か、…!」
いや、喉を開こうとしているような。
息の吸い方を最初からおさらいするような。
「風弥っ!!」
「……本当?」
と言っても風弥は変な嘘はつかない。
そんな顔をしていることもあまりない。
拠点の外に少し出てみれば、それは有一でもすぐに分かった。
「船が浜辺に泊まってる……」
水をくむといって外に出てきたと思ったらすぐに戻ってきた。
自分でも驚いているのか、半ば独り言のような報告になっていたが……
「あれ……」
水を汲みに来た浜辺が昨日より狭く感じた。水位が上がってきているのだろう、と感じたのに加えて、
浜辺に停泊している船の存在感によってだろう。
「……本当に来たんだ」
「探さなくても偶然に巡り合うものなんじゃないかな。
そういうのがご縁ってやつだよ。
ご縁を大事にしなさい、ってよく言うでしょ」


