Ino.55 無名の島
身内島です
STATS
2人 / 人数
カジュアル / 難易度
スモール / 広さ
OVERVIEW
チャットとメッセージ
ゲーム中はチャットはALLと同じ表示がされ、またメッセージは公開されません。
エピローグ期間に入り次第チャットは通常公開され、メッセージはゲーム終了後に通常公開されます。
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「さて」
「…オレはもう少し、滅びゆくこの島を眺めるとするさ。
また、船で会おう」
夜空を映したマントを揺らし、純白の羽を動かして宙へと浮かび上がる。
その頃には、いつもの調子の妖精がウインクを飛ばして笑っていた。
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「それに、お礼を言うのはこっちの方さ。
いい退屈しのぎになったよ。
ありがとう、レフ・レテノール。蝶の名を冠する吸血鬼よ」
妖精王は左胸に手を置き、軽く足をひいて会釈する。
いつもの軽薄な様子はなりを潜めて、替わりに厳かな空気を纏った、“王”の彼が垣間見えるかもしれない。
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「いやあ、最後まで律儀だね!うちのこどもたちにも、その爪の垢を煎じて飲ませたいくらい!」
なんてね、と冗談めかして肩を竦める。
礼を告げられると、目を細めて微笑む。
「好きに持って帰ると良いさ。それは、君自身の力で得たものだよ。オレはほんの少しだけ、口添えをしただけさ」
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「ありがと!」
この長いようで短かった数日を共に過ごした彼に対して礼を述べながらもぐもぐと塩漬けの肉を食べる。やや粗野だが文明の味がする。
「折角だからラム酒とか土産に持って帰っていいかな。俺16だからまだ飲めないけど、記念に持って帰りたくて」
成人したら飲んでみたい、くらいの気持ちで言ってみたののそこまで品質的に持つかはさておき。
「……改めて、この数日間ありがとうございました。アンタがいなかったらもっと大変どころの話じゃなかったと思うし」
ぺこりと頭を下げる。
「それだけ。船一緒だけど先に言っておきたかったから」
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「だっしゃオラァ!全部できたァ!!
保存食だ!!食べて飲んで、あとは休め!!!」
無駄に多い手でバタバタと脱出キットやら保存食をつくり、ぺいぺいと倉庫に放り込む。
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「飯も脱出キットも何とか…してみせるよ!
いやほんとに!オレ、レフ君の手足となって働くからさ…!」
昨日の惨事と助けてもらった恩には報いたいらしい。吸血鬼くんを撫でつけながら、魔法でテント内にに運んでゆく。
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「お疲れ様ァ!いや、本当によくがんばったね!?」
すっ転がってる吸血鬼くんの頭をわしゃわしゃなでなでしている。
「偉いぞ〜!あとは妖精王に任せて、寝な!?」
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「ありがと…いやまさか、このオレが流されるなんて…夢にも思わなかったよ…。
海がトラウマになりそうなくらいには…怖かった…」
自分のミスから若輩くんにドラム缶風呂を作らせ、食材を持ってこさせるという所業を行った妖精王。威厳もくそもなく、砂浜の上に転がることしかできない…。
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「何?大丈夫……じゃなさそうだね」
ふらっと向かった砂浜でボロボロで転がっている妖精王を見つめる。
何故こんなに死にかけている……?
「なんか必要なものあったら言って。持ってくる」
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「すまない…もう…オレは……駄目みたいだ……」
倒れてうごけなくなってしまった妖精王。
放っておいてもいいのかもしれない。
Eno.320:妖精王オベロンは白い果肉を食べた。白くてプルプルしていて……ちょっぴり甘いような気がする。
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「ありがとう。レフは良い子だねぇ」
ふわりと浮かび上がると、あなたの頭をよしよしと撫でる。
「いやぁ、君が居てくれて助かったよ。退屈で死んでしまうところだった。お兄さんの世間話に付き合ってくれるのは君だけだよ」