■ Ino.16 アーナエ島
体験版用の小さな島です。 想定人数:5人以下
STATS
4人 / 人数
体験版 / 難易度
スモール / 広さ
■ チャットとメッセージ
ゲーム中はチャットはALLと同じ表示がされ、またメッセージは公開されません。
エピローグ期間に入り次第チャットは通常公開され、メッセージはゲーム終了後に通常公開されます。
「朝顔様………」
止めようか、止めまいか、少し迷って。
「………いえ。
どうぞ、お続けください。
わたくしはもう降りた側なので」
「あっ船員さん。
もう少しお待ちいただけまして?」
せっかく助けに来てくれた船をその場で待機させている……
「……残念ながら、
それではわたくしの気が済みませんの。
誤解したままお別れだなんて、
悔やみすぎて死後に化けて出そうな勢いでしてよ!」
「……そっか、それなら、いいや。
ごめんね、ありがとう…うん。」
「はい。わたくしは大丈夫ですよ?」
「……つまり、もう大丈夫、っていうこと?」
そういうことなのか?と問い直す。
「でしょう?」
「ですから、わたくしはあの時堪らず感情的に
ついなってしまいましたが…あれから色々と考えた結果、
アウリス様の仰った変わらないことが、
最も楽な方法だと理解したので、それに従ったまでです」
「なので、もう怒っていませんよ。
わたくしがどの立場でアウリス様の思考に
文句をつけるのか、そこまでする理由が浮かばないので」
「”思わなかった”。
そこまでする理由が浮かばなかったから。」
「"それくらいで"、なごみ様は怪我されていたかもしれない。
もしかしたら、もっと大変なことになったかもしれない。
……あのとき、そう思い至っておりませんでしたか?」
「…ずるずるともうちょっと後にしようって感じで、
帰らなかったかと言えば、否定は確かに出来ないかな。」
「でもそうだね、一つだけ訂正するなら”それぐらいで”そこまでされるとは思わなかったから、帰ったんだよ。」
「お邪魔だと感じられたから、どうされたのですか?
わたくし達のところから、離れたのではないですか?
わたくしは誇張して"袂を分かちたい"と申しましたが……
ああまでしないと、帰ってこなかったのではないですか?」
「だから誰にも何も言わず、知らせもせず、
一人で森に引っ込む判断をされたのですか?
アウリス様の仰る気まずさのために、
なごみ様は危険を顧みず
森や砂浜を駆け巡られておりましたが…」
「……そうだね。
別に改善してほしかったわけでも、配慮してほしかったわけでもなくて、ただボクがちょっと意識とか、気まずく感じたからお風呂とかそういうのは一人の時にしようって、そうしてただけだし。」
「でもね、それはボクにとっては必要な線引きってだけなんだ。
お手洗いの時に一緒に付いて行ったりはしないのとおんなじ。
それに…エルマちゃんと朝顔ちゃんがあんなことしてたの見たらね…ほら、なんだかボクってお邪魔なのかなって。」
「………………」
こめかみがピクピクしている。
「何が理由かは存じませんが、
ある時から拠点や小屋に寄り付かず、
森の中で生活されるようになりました。」
「それに至る原因はあったこと。
何かを見たのだと仰っていたこと。
しかしそれはアウリス様側の理由であると仰っていたこと。
わたくし達にはそのままでよいと仰ったこと。」
「わたくし達に何某かの改善を望んでいるわけではなく、
しかしてアウリス様は離れた場所にて生活したい。
状況を整理すると、この通りだと思うのですが……
間違っておりますか?」
「そうだね、ボクはそういったと思う。
けどさ、それがなんで『袂を分かちたい』なんていう風に思われたのかが、全然ぼくにはわからないんだよ。
もし、そういう風に思ってるのなら、”違う”から。」
「そうだね、ボクはそういったと思う。
けどさ、それがなんで『袂を分かちたい』なんていう風に思われたのかが、全然ぼくにはわからないんだよ。
もし、そういう風に思ってるのなら、”違う”から。」
「そのままがよい、と、アウリス様は仰いました。
わたくし達にはそのままでいてほしい、とも。
それ以外、何もないのではないですか…?」
(言いたいことを言う場ではありませんでしたっけ……)
すこしもやっとしながらその前に質問がぶつけられたので一旦黙ってるくらいしかできず
ただ指元はそわそわしている
「……。」
そう言われてしまうと、それ以上を聞くこともできない。
そして何より、このままでは結局そのままだ。
それを分かってはいるけれど、言葉を迷わせながら、相手を見つめることぐらいしかやれることが思い浮かばず…。
「…じゃあ、ボクの考え方をどう理解したの?」
そう聞くにとどめた。
「それなら、それで。
期待と言いましたがわたくしの我儘でもありますので。
それに……そこに踏み込むと、
色んなものを背負わないとならないですし。」
「…………」
代弁するわけにもいかないので
黙って成り行きを見守っている。
「……期待していた事…?
ごめん、全然ぴんと来ないや。」
むぅっと、首をひねる。
あの時、あの場で期待されていたことというのが全く思い浮かんでこないのだ。
「怒った、というよりは、
わたくしがあのとき理解したアウリス様の考え方と、
元々わたくしが期待していたことがずれていたので…
それが理解できてしまい、やり場がなくなっただけです」
「……この間の事。
なんであんなに怒られたんだろうなって。
結構考えたんだけど…うん、まだよくわからなくて。」