Ino.111 フィーネ島
ヒトリナガサレ
STATS
1人 / 人数
サバイバル / 難易度
スモール / 広さ
OVERVIEW
知らないようで知っている世界。
確かなのは今ここにいるということ。
それだけわかれば十分だ。
チャットとメッセージ
ゲーム中はチャットはALLと同じ表示がされ、またメッセージは公開されません。
エピローグ期間に入り次第チャットは通常公開され、メッセージはゲーム終了後に通常公開されます。
『ああー、そういえばなんか、そんなのあったな。
そうかだからなんとなく、懐かしいような気がしたんだな』
日本土産なのにドイツ菓子なのか、と、その時にもそんな話をしたような覚えがある。
もふもふとした木の実は食べでがあった。
喉は渇くが、腹は満たされそうだ。
「……あっ。思い出した、ばうむくーへんだ」
一緒にもふもふ食べていた【白】がハッと顔を上げる。
何かに似ていると思ったら、ずっと昔にお土産で貰った菓子にとても似ている。
「日本で買ったって言ってたけど、ドイツ菓子らしいんだ。
僕は知らなかったけど、ルイーゼは知ってた」
『おお……美味いけど、美味いけど……めちゃくちゃ喉乾くなこれ。
でも甘いのはいいな。木の実だけど果物っていうよりは、菓子っぽい甘みで……』
もふもふと水分を持っていかれながらも食レポを続ける。
なんとなく覚えがあるようなないような感じだ。素朴なケーキっぽい。
Eno.583:Blancusは円筒状のきのみを食べた。甘くてふわふわで口の中の水分が持っていかれる……!!!
(満腹+15、水分-8)
『おーい、何遊んでるんだ。
ていうかお前、いくら物を置いておけるようになったからって、なんでもかんでも持ちすぎだぞ。
たまには整理しろよー』
荷物を運んでいた【黒】が遠くから苦情を入れる。
遊ぶ余裕があるのはいいが、そういうのはやることをやってからにしてほしい。
「なんだこの石。面白いな」
見たことのない石の、見たことのない反応につい夢中になってつんつんつついてしまう。
こういうものを見ると、やはり知らない世界なのだなと今更ながら納得した。
持って帰って詳しく調べたい。
Eno.583:Blancusは震える石を適当な石で慎重に削ってみた。……出た粉を石で小突いた途端、粉が破裂した!
『もくもくになるなぁ。
煙で何がなんだかわからない、なんてことにはならないようにしてくれよ』
拠点からは離れた位置に置くようにしよう、と【黒】は密かに思った。
でないと煙たくて、サバイバルするどころではなくなってしまうだろうから。
「サバイバル映画とかならこれが後々効いてきたりするんだけどな。
でも、ないよりはマシだろう。たぶん」
効果を考えるなら、島のあちこちに設置した方がいいかもしれないが。
そう大きな島ではないから、そこまでしなくてもいいだろうか。
いや、だが、万全を期すなら多いに越したことはないかもしれない。
「……そのうちもう少し増やすか」
『やってみたはいいが、なんていうか……心許ないなぁ』
全く同じことを言いながら、狼煙を設置し終えた【黒】が戻ってきた。
背後を振り返り、もくもく上がる煙を同じように見上げる。
「……心許ないな」
もくもくと煙が立ち上るのを、ちょっと遠くから見ている。
果たしてこれがどの程度、効果があるものやら。
「と言っても……今出来ることと言ったら、狼煙を上げるとかそういう程度だけどな。
でも、無いよりはマシだろ。たくさん作ればその分目立つかもしれない。
それでやってみるしかないな」
どちらにせよ、取れる手段は限られているのだ。
何でもやってみるしかないだろう。
ふたりだけの島で、他に手はないのだから。
『うーむ、正直、心許ないな。
おれとお前を乗せられるだけのイカダを作れるか……?
とはいえ船を見つけられない可能性もあるから、最終手段として一応考えておく方がいいかもな。
並行して、船に見つけてもらえるような細工をするべきか』
「そうだな。
最初に見つけた手紙には、この辺りには時折船が通ると書いてあった。
それをどうにか捕まえて……見つけてもらうのが確実そうだ。
イカダを作って脱出するという手もなくはないが……」
『さて。なんだかんだで3日目の朝だな。
だいぶ食うには困らなくなったし、そろそろ脱出することも考えていった方がよさそうだ』
「……やることもないし、寝るか。今日はいろいろありすぎた」
体力も完全に回復したとは言い難いし、起きててもやれることもない。
【黒】を枕にして、夜が明けるまで体を休めることにしよう。
『そうだなぁ。明日は晴れるといいんだが』
のそりと起き上がり、【黒】は【白】に身を寄せるようにしてまた横になった。
毛は短めだが、何もないよりは暖かいだろう。本性は金属とはいえ、冷たいわけではない。
「沙漠みたいな気候だな。昨日はそうでもなかったが。
夜だから寒いのか、雨の後だから寒いのか……。
よくわからないけど、厄介なのは厄介だ」
怪我が治りにくいのはもういいとして、これで体調まで崩すようではいよいよだ。
可能な限り火に近づいて、【黒】の近くに座る。
『なんだなんだ。急に寒いな。
暑かったり寒かったり、なんなんだここの気候は』
ぷるぷると肩を震わせて、【黒】は焚き火の側で丸くなった。
早めに大きな火を作っておいてよかった、本当に。
「怪我は治ったけどな。……なんか、いつもより体力を削られた感じがする。
不便だな、人間の体って」
慣れない痛みで満足に寝られなくて、疲れているし眠たいのは確かだ。
のんびりしている暇はないが……少し休みたい気はする。
「……寝床を作り直すか。それで、少し寝よう」
どうせ夜だし。ちょっとだけ休憩するのもいいだろう。
『んやー、参ったな。あれもこれもめちゃくちゃだ。
直せるものは直してきたけど、ここはどうするか。
屋根と寝床は新しく作る方が早いかもな』
壊れたものを撤去するのがまず大変だ。ひとまずは仮で新しく作って、合間合間に修理するのがいいだろう。
『お前は大丈夫なのか? 結局全然寝られなかったんだろ』
「全く、酷い有様だな」
嵐が過ぎて辺りの様子を窺ってみれば、見るも無惨に破壊されている。
怪我は治ったが雨で体も冷えてしまった。
背に腹はかえられないので、奇跡的に無事だった焚き火の近くで体を温める。
