■ Ino.106 わたしたちのむじん島
中くらいの島です。非公式島のため、メンバーは丸見えです。体験版ミディアム島相当のはずです。
STATS
3人 / 人数
サバイバル / 難易度
ミディアム / 広さ
■ チャットとメッセージ
ゲーム中はチャットはALLと同じ表示がされ、またメッセージは公開されません。
エピローグ期間に入り次第チャットは通常公開され、メッセージはゲーム終了後に通常公開されます。
「おぉー! ワタシとすももだ! ひみつきちのはたもある! すごいな!」
見せてもらった画面を覗き込み、嬉しそうに笑う。
「シャシンってかみとちがうのもあるのか。
ケイタイデンワのおやぶんならかみにできたのかな? さがしとけばよかったな!」
「メルンテーゼ……聴いた事ねー国だなー。
おれはたぶん、すももと同じだ。
ニッポンのー……山はあんまりねーかなー。
住んでるとこ自体は街のほうだと思うぜー」
何だか物凄く、この一週間あまりで馴染みに馴染んでいたせいで、当たり前のようになっているが。
ススキのような容姿や特徴を持ったものは、光秀の知る範囲には居ない……ということを、もはや今更のように思い出し。
メルンテーゼ、もしや国じゃない?
という事がうっすら過るひととき。
「……連絡とる方法とかあんのかなー」
「おーっし、撮れた撮れた」
さりげなくぺスポジを確保したおやぶんをばっちり画角に収め、満足気に頷く。
それから、撮ったばかりの写真が表示された携帯電話の画面を、ススキに見せてみる。
「これなー、カメラもついてるやつなんだぜー。
紙の写真にするには、別の装置使わないと駄目なんだけどさー」
明智光秀は写真を撮りました!カシャッ
おれたちの!
「ニッポン? きいたことないなー
べつのくにか いえかえったらこんどあそびにいくな!」
海で繋がっているならば行けるかもしれない。
「すももやまそだちか! もりのなかもへっちゃらだったからなー
きたえられてるな!」
無人島でうまくやっていけたのも、山育ちのお陰だったのかもしれない。
「ススキはがいこくのひとなんだ」
救助船の人が言っていた、世界がどうのこうのはよくわかっていない子供。
馴染みのない地名は全て海外と認識している。
「じゃあわたしは、にっぽん」
とりあえず国の名前を出した。
「うちの近くも、山あるところ」
なだらかな山のほどほどの自然に囲まれて足腰を鍛えてきた腕白ロリータ。虫も土汚れもへっちゃらなのである。
「?」
撮影の気配に、ススス…となんかいい感じの場所に移動する子供。
「すももとてるよしはどこからきたんだ?
ワタシはメルンテーゼってとこの やまがたくさんあるとこ」
ざっくりしている。
「これでシャシンとれるのか? シャシンってカメラじゃなくてもとれるんだな」
若干の知識はある様子。
「たびのおもいでってやつだな!」
「そーだ。おやぶんとめがみの御尊顔も撮っとかねーとなー」
バッテリー足りるかなー、とぼやきながら。
良さげな構図を探して辺りを見回すひととき。
「どーせならやっぱ、おやぶんの立てた旗、背景に入れたいよなー」
スッ……と渡された保存食を、流れるように食した!
「しょっぱいけどうまい」
女神と同じ感想を述べ、うむうむ、と頷く。
これもきっと想い出の味になるのだろう。
何かの拍子に、急に食べたくなるタイプの、そんな味。
Eno.479:明智光秀は保存食を食べた!凝縮された肉の旨味と塩味が口の中に広がる!
すももを見習って、甲板に腰掛けて干し肉をかじる。
「しょっぱい けどうまいな」
ちょっとセンチメンタルな気分にちょうどいい。
Eno.75:ススキは保存食を食べた!凝縮された肉の旨味と塩味が口の中に広がる!
「おー! はただ!
ここからもみえるな!」
甲板の縁に立ち、ひみつきちに建てられた旗を見やる。
「しまがしずんでも はたがのこってるといいな
ここにひみつきちがあったことがわかるように」
スッ…
干し肉をがじがじしている子供が、乗り降りキットで使ってしまったであろうリーダーへ予備の保存食を差し出す。
ついでに倉庫から取ってきたのである。せっかく作ったので。
一部始終、旗が立てられるまでを、甲板から見届ける。
「おー、かっこいいなー」
戻って来たおやぶんが、悠々と保存食を頂いている。
どうせなら、倉庫の食材全部持ち出してくればよかったかなー、なんて考えたりしながらも。
携帯電話のカメラを向けて、旗のはためく光景を数十秒分だけ、動画で記録しておいた。
船の甲板で、島を見つめながら干し肉をがじがじ。
帰りの航路はプロの方々にお世話になるからとのんきなものである。
Eno.139:薄井すももは保存食を食べた!凝縮された肉の旨味と塩味が口の中に広がる!
Eno.139:薄井すももは船に乗りました。
好きな本に影響を受けた行動を終え、ひみつきちの壁を撫で、満足して救助船へ戻っていく。
「ここは、わたしたちのしま」
子供が枝を渡し、少年が建て、少女が設備を充実させ、その後も皆で作り上げていった『ひみつきち』
砂浜を探索し、森で木を伐り、岩場で魚を獲り、嵐を越え、船だって作り上げた『わたしたちのむじんとう』
七日間の冒険の証。
まもなく水の中に沈むとしても、確かに今、ここにある。
ポシェットに入れていた、破り取った服の袖をひとつ取り出す。
筒状の布を破いて開き、木の枝にくくりつけ、そこへ文字を大きく書き入れて。
『わたしたちのむじんとう』と書かれた、不格好な旗を作る。
それを、拠点近くの地面に突き立てた。
Eno.139:薄井すももは船を降りました。