■ Ino.11 ゆうれい島
体験版用の小さな島です。 想定人数:5人以下
STATS
5人 / 人数
体験版 / 難易度
スモール / 広さ
■ チャットとメッセージ
ゲーム中はチャットはALLと同じ表示がされ、またメッセージは公開されません。
エピローグ期間に入り次第チャットは通常公開され、メッセージはゲーム終了後に通常公開されます。
「……むむ」
皿に盛られたやばい灰をもらった。
あんま嬉しくないようなマネキンを燃やそうと言い出したのは自分だしなーみたいなきもちもあり……複雑。
「出航のときにでも海にまいちゃうか?
みんなの船出を祝って」
「あっ。お船にいかだくっつけてもらお」
やばい窯を放置して、停泊中の船のほうへ走っていく。
出港の時が近づきつつある今、いよいよ無駄にせわしない。
やばい窯を放置して、荷造りの確認も始めた。
「ロープと~、時計と~、」
「ガリョ、それ持ってっていいよ」
やばい窯からやばい灰が生産されつつある。
燃え尽きるころには島中にやべぇ匂いが充満してしまっているかもしれない。
「くっせぇ!!」
焼ける匂いが思ってた以上に臭かった。
「マネキン漏れちゃってるし。
胴体まっぷたつにしてから放り込んだほうがよかったかー?
ミコ、あんま近いと匂いがつくぞー」
キュウキュウ音を立てながら崩れ落ちていくマネキンに対しての感想。
だいぶやばい絵面だ。
鼻歌を歌いながら、窯をずっと覗き込んでいる。
中からは黒煙がもうもうと噴き上がっている。
プラスチック製コップが溶ける様子を観察しているようだ。
それとマネキン。
「ん~~やっぱ、足からじゃね?
頭先にやいちゃうと面白味がないし……」
思案するような仕草でなんの面白さを求めているのかは謎だ。
窯があるのはどこだっけ。拠点に3基と砂浜にも1基あるのを見つけたな。
ときょろきょろ見渡し。
「どうせなら普通じゃないことやったほうが面白いだろ~?」
いたずらっ子のような顔で笑い、走り出す少女を追いかける。
「マネキン?
お人形焼いちゃうの?」
「ガリョったら、とってもザンコクね!」
言葉とは裏腹に、楽しげに笑う。
ふざけてはしゃぎながら走り出した。
「頭から焼く? 足から焼く?」
無邪気にそんなことを言いながら。
「なななんだ?」
急に思い立った少女の声にすこしばかりびくっとし。
「ぷらすちっくぅ~?
なんでそんなもの──…」
「ま、いいっか!オレらしかいないんだから好きに焼いちゃおうぜ!
だったらさ、オレもアレ焼きたい。
マネキン!」
まず窯に入るのか問題が発生するが。
「ぷらすちっく!」
きっともういらないから、
どろどろに溶かしてあそぼう!
資源は大切に。
手渡されたものをしばし見つめて、
それと少年の顔を見比べた。
「あ!」
急に思い立ったように声をあげる。
「窯で焼きたいものがあったんだった」
片道切符が入った瓶が弧を描いて海へと落ちていくのを見つめながら、
「誰かに届くといいな」
ぽつりと。
「やり残しか~…ない!」
「……わけじゃないけどさ」
やたらと作られていた窯、結局なにも焼けなかったなーとか。
小屋なんか建てるだけでほとんど使わなかったなーとかとか。
──あ、そだ。
「ミコ、これ」
「往復きっぷは運転見合わせで〜す」
切符を模した布切れと砕いた貝殻を瓶に入れ。
えい、と海に向かって放り投げる。
「この島でやり残したこと、他にないかな」
ぼやく。
ミケとの写真は結局撮りそこねているが、
それはまた船に乗る時にでも撮れるだろう。
「あはは、だな」
「なーんかオレもちっとはわかって来たな。
最果てへの片道きっぷも"ロマンチック"かも、な!」
そこに行けば帰ってはこれないけれど、素敵な場所だから。
心が折れそうになれば、そんな希望もあるんだと思えばいい。
「きっと『うおー!』って気力がみなぎってくるんじゃねーかな。
そうに決まってるぜ」
ポジティブ思考。
「片道きっぷかよ!え~…」
つまりそれは……
「ワクワクして開けた瓶にはげまされる人のきもち……
いったいどんなきもちかしら……?」
遠い未来の遠い誰かに想いを馳せた。
「じゃあ私は〜……きっぷ作っていれちゃお。
最果てへの片道きっぷ」
「ロマンチックでしょ」
ふふんと得意げだ。
布を小さく切って形を整え始めた。
それ以上は言及されなかったことに安堵とちょっとばかし口の先を尖らせて、遊ばれていることにぷぅと。
でも少年はそれも悪い気はしてはいない様子。
「んー大したことは書いてないぜ。
一言ばっか?『がんばれ!』『まけんな!』『なくな!』とかそんなん」
どこかで漂着してくじけそうな人向けのやつだった。
「ふふ。私もなにか書いて流そ」
くすくす笑って、それ以上つつくのはやめておく。
船乗りたるもの、引き際を見誤ってはいけない。
「ガリョはどんなこと書いたの?」
「!」
「こ、これはどこに行くかも誰宛かもわかんねーのだし?
ミコにやったのとはぜんぜん、
別あつかいみてーなもん、だしっ!」
なんかわからんが言い訳じみた事を口走り、昨夜からからかわれっぱなしな気がする。
「あら」
なんだかとっても見覚えのある事柄。
「私だけとの秘密のメッセージじゃなかったのね?」
そうからかって、瓶が投げ込まれた海を見やった。
『これ』と手にしているのはラベルもボロボロの瓶。
ボトルメッセージにしていくつか海に流しているようだ。
適当に投げ入れたりしているのでいくつかは海面と激突して割れていそうだけれど。
もしかしたらいくつかは無事に、いつかどこかの島に流れ着くかもしれない。
そんな期待を込めて。ぽーんと。
「おーっす、ミコ。
ちゃんと夜更かししないで寝たかー?」
出てきた少女に片手をあげてご挨拶。
「これこれ。
まあ、ちょっとしたお遊びだ」
「やった。ちゃんとミコも居るぞ!
おばけとともにあるぞ!」
<昨夜撮ってもらった二枚の写真を掲げて
何度も何度も視線を行ったり来たりさせている>