■ Ino.15 わおーん!!!!!!!!島
体験版用の小さな島です。 想定人数:5人以下
STATS
8人 / 人数
体験版 / 難易度
スモール / 広さ
■ チャットとメッセージ
ゲーム中はチャットはALLと同じ表示がされ、またメッセージは公開されません。
エピローグ期間に入り次第チャットは通常公開され、メッセージはゲーム終了後に通常公開されます。
「……ん、んっ……ぁ」
互いに貪るような、熱いキス。
強張っていた身体が安心したように弛緩する。
言葉はないけれど、そのひと時の間に、幾千の言葉を交わすよりも色々な想いが通じ合ったような気がした。
「……バカ。」
キスを終えて、一言だけ、そう言った。
本当は分かっている。
はっくんが自分の正体に悩んで苦しんで、どうしようもなくなって、それでも勇気をもって伝えてくれたこと。
ウチは、自分のことばかりだね。
すぐに熱くなって、怒って、泣きじゃくって、気持ちをぶつけてしまう。
きっと面倒くさい女なのだろう。
でも、はっくんのこととなると、想いが止まらなくて、いろんな感情が溢れてしまう。
だって――。
「――――あ」
そっと顎に指を掛けられて、持ち上げられる。
次の瞬間にははっくんと目が合った。
刹那、力強く抱き寄せられる。
同時に、唇に柔らかい感触を覚えた。
→
「?」
きょとん、とした顔でリーとプラシオの顔を交互に伺う。
「……ああ、そうか養子みたいなものか!
それが一番良いかもしれないな、やっぱり。」
まだ高校生なので仕方ないが、自分が引き取るという発想はあんまりなかった。
と同時に、リーに任せておけば大丈夫だろう、とも思った。
「俺も荷物は整理し終わってる。
それじゃ、シリウスに遅れないように俺たちもいくかい?」
男はあの犬の行く末を、信じていたのでこれぽっちも心配していなかった。もちろん、悲しいのとは別だが、そんなことはおくびにも出さず。
「それとも君の決意について、デートしてるハクとまいまいのことは置いといて……くっしーには伝えていく?」
「しばらくうちの子になるので、兄さんと呼んでもらうことにしました。一応、まだ結婚してないから……」
うちくれば、男だろうが女だろうが、俺が服を仕立てるぜと、それだけが自分自身の自慢らしかった。
どれだけ寂しかっただろう。
傷つけてしまったんだろう。
叩かれる胸が痛い。
それ以上に、胸のもっと奥が、心が痛い。
でも、叩いているその手の方が、好きな人を叩いているその心の方がもっと痛いはずだ。
だって、彼女は、泣いているんだから―…。
こみあげてくる愛しさと、締めつけられる胸の苦しさに耐え切れず、彼女の顎を指で掬い上げる。
…強引に抱き寄せて、唇を奪った。
…ああ、そうか。そうなんだ。
彼女の言う通りだった。
“俺が”彼女を信じてやれなかったのだ。
君に嫌われるのが怖くって彼女の気持ちを考えていなかった。
…確かに想い合ったあの夜、素直じゃない君が勇気を振り絞って、俺に好きだと伝えてくれたのに。
ああ…ああ。
俺は、彼女の想いを、信じてやれなかったのだ。
それを、彼女に押し付けて、自分だけ解放されようと思ったんだ。
この、苦しい気持ちから逃げ出そうとしたんだ。彼女を置きざりにして。
→
「…………」
(まいまいが泣いている。
どうして、彼女が泣いている?
俺、が傷つけた…?)
彷徨う手は、彼女にどう触れたらいいか分からなくて、ただ震える。
俺は自覚したんだ。自分が怪物なのだと。
彼女も虫が嫌いだし(なんなら俺も嫌いだし)、俺の本当の正体を知れば、嫌いになるんじゃないかって。
信じた人が、実は容易に洗脳したりできます、なんて、普通は嫌なはずだ。そういうヒトを“何度か見てきた”。
…だから、それでも好きでいてくれるだなんて、そんな都合のいい話、“信じていなかったんだ”。
→
「はい!準備はバッチリです!」
と、言いながら姿をあらわしたのはリーお手製の犬の着ぐるみパジャマを着た子供。
まだ少し恥ずかしそうだ。
「え、えへへ…ありがとうございます。
そう、です。兄さんが作ってくれました。」
「ん?どうかし、……可愛い格好じゃないか。
リーさんが作ったのか?」
自分も貰って着ているので、恐らくリーが仕立てたのだろうな〜と予測する。
>>96
律儀に兄さん呼びしてくれたプラシオに、肩を揺らしながら振り返りつつ、見てみ、と言いたげにくっしーの肩を叩く。
「船が来たみたいだから、荷物の片付け済んでるかどうか聞こうと思って。準備はできてるかい?」
とても嬉しそうだ。
「こっち向いてよ。抱きしめて、キスしてよ。
良いんだよ、正体が何だろうと関係ないよ。
はっくんははっくんだよ。
ウチなんて洗脳する意味もないでしょ。
洗脳なんてしなくても、はっくんの望むことなら、なんでも出来るんだから」
泣きじゃくりながら、握りしめた拳で彼の胸板を叩く。
何度も、何度も、叩く。
どうしてだろう。視界が潤むのは。
雨も降ってないのに、頬に滴が落ちるのは。
「幻滅ですって……?
幻滅したのは、あなた自身でしょ……。
自分のことを知って、怖くなったのは、あなた!
背を向けて逃げ出そうとしてるのは、全部あなた!!
ウチに、押し付けないで!」
彼は黙って下を見ている。この男は〝そんなこと〟で、ウチが背を向けると思っているらしい。
悔しかった。伝わってない! このヘタレホストに、ウチの想い、100分の1も伝わってない!!
→
>>63797
「呼びましたか?兄さん!」
呼ばれた子供が、以前とは少し違う呼び方をしながらぱたぱたと走り寄ってくる。
「怪物……洗脳……」
到底、そんなふうには見えない。
いや、見えなくて当然だったのだろう。
彼はずっと記憶喪失で、自分が何者なのかを知らなかったのだから。
立ち振る舞いは、本当にただの人間だったはずだ。
全部忘れてたんだから。
そして、自分はそんな彼を好きになった――。
ただただ、悔しかった。
→
そっと、彼女から身体を離す。
「…ねえ、人に見えるだろ?
けど、本当の俺はこの身体に寄生した…ただのちっぽけな生き物なんだ。
君が嫌う、虫みたいなものさ」
砂に目を落とす。
彼女がどんな顔をしているのか、見たくなくて。
「……どう?それが、君の好きになった男の正体。
…幻滅した?」
こく、と小さく頷く。
「俺は、たぶん。くっしーよりももっと酷い存在で…。きっと…君たちヒトが“怪物”って呼ぶ生き物なんだと思う。
キミに掛けた幻覚の魔法。あれも…半分嘘だ。
あれは“洗脳する”魔法なんだ。
魔法を掛けた相手を、思い通りに操る最低な魔法で、俺はそれを“仕事”にしてたんだ。
…俺は、そんな怪物なんだよ」
→
「……そう、思い出したんだ。
くっしーの話、覚えてるよ。今でもそういうファンタジーなの、ちょっと半信半疑だけどさ、はっくんの〝あの世界〟も体験しちゃってるしね。」
「……俺、さ。自分の“魔法使い”だって言っただろ?
で、まいまいが“魔法使いって感じじゃない”って言ったでしょ?
…あれ、正解なんだ。
俺は、本当は魔法使いでも何でもない。
少しだけ、思い出したんだ」
指が小さく震える。
「…昨日さ、くっしーが吸血鬼の眷属の話をしたの、覚えてる?」
(キノコは拾えなかったが、水は汲めたので嬉しそうにしている)
「……あは、まだ子どものくせに、生意気」
言葉で、ぬくもりで。
彼女の優しい一挙一動が、ハクの虚勢を脆く剥がしていく。
ほう、と詰めた息を吐いた。
→
Eno.241:ひとつの星は時計を見た。今は22:33:32のようだ。
「よしよし。
おねーさんが全部聞いてあげるから。ね?」
先ほどそうされたように、彼の頭を優しく撫でてあげた。