Ino.16 華の咲く島
R18つける程じゃないけれど、ちょっと人を選ぶロールをやりたい! そんな雰囲気の、真面目めのシマです。詳細は@Fellen_teikiまで
STATS
8人 / 人数
サバイバル / 難易度
ミディアム / 広さ
OVERVIEW
ちょっと人を選ぶロールをやりたい! でもR18つける程じゃない!
チャットとメッセージ
ゲーム中はチャットはALLと同じ表示がされ、またメッセージは公開されません。
エピローグ期間に入り次第チャットは通常公開され、メッセージはゲーム終了後に通常公開されます。
「ゆっくりとおやすみ…」
未来を阻む者達は此処には居ない
居るのは貴方の心に付け入ろうとする幻影でしかない
貴女を抱き抱えると楽な体勢に寝かせよう
そしてクライル氏に手招きを「君も彼女を介抱してやりな?」
と告げるかの様に
海に堕ちた音は、船にぶつかる一際大きな波にかき消された。
船の上から、少年の姿が、消えた。
僅かに残った血の跡も、じきに大波がきて拐っていく
「な……にが………」
グラりと揺れる視界。ぽたりと垂れる血。薄れる意識。
さよならと言ってお別れ、するつもりなのに。
また逢おうと言うつもりなのに。
ヘリを掴み、持ち堪えて。
ふとした揺らぎもすぐに収めて、
海から目を逸らし背を向ける。
今度はぼんやりと、
相変わらず特に読み取れるところのない表情で
流れる雲を眺めていた。
その手で殺したおとうさまの声を聞いていた。
その手で心を傷付けた初恋の少女の声を聞いていた。
こちらに無関心だったはずの兄の憎悪の声を聞いていた。
これから未来へ進もうとする少女の、髪を引っ張るかのよな過去の声。
桃色の泡に触れれば、
それらは遠ざかり、聞こえなくなっていく。
「おとう……さ……ま……」
もういない幻影を呟きながら、
少女は再び眠りに落ちたのだ。
大丈夫、今はひとりじゃないよ。
皆が集っている方が船首とするなら、
きっとこっちは船尾の方。
もしかしたら位置関係は逆かもしれないが、
兎も角あまり人通りのない場所でぼんやりと
海風に吹かれている。
「……。」
楽しい、美しい、気怠い、戸惑い、苛立ち…
どれも抱いていないような、何も感じ取れない顔で
ただただ海を眺めている。
「…大丈夫だよ
次はきっと休めるはずだ」
貴方の頭を優しく撫でながら自らの体から桃色に淡く発光した鎌のような物を出現させ其をゆらりと振るう
鎌からは桃色の泡が幾つか生まれ
ふわり、ふわりと貴方の元へ向かうだろう
"夢想泡"、そんな言葉を神は口にする
泡が貴方の身に触れればぱちん、と割れてしまうだろう
割れた際に振り撒かれる粒子は次第に貴方に安眠へと誘ってくれる筈だ
トラウマと言うものは最終的には自分で克服すべきもの
だがその傷が膿んで放置したら治る処か悪化しかねない
ので寄り添うのは必要なのだ
悪夢では疲弊も溜まる一方なので
彼女が望むなら睡眠を先ず安定化させる術を講じるつもりだ
「…………」
トラウマは、誰かに克服してもらうものじゃない。
自ら以て向き合うしか、克服の術はない。
だが、誰かが側に寄り添う事は出来る筈だ。
しかし今は、その役目はリシアンサスにある。
自分は、見ているしか出来ない。
その事実が、何とももどかしい。
「…脱出した際の疲れとかで一気に来たのかもねぇ」
悪い夢も疲れとかトラウマというものが反映されやすい
もしかしたらそのパターンかもなぁと
「…もし、安らぎが欲しかったら言ってね
一応、対処する術もあるから」
「ちょっと……疲れた……だけ……?」
ぎゅ、と自分を抱き締めている。
頭を振り、記憶の残滓を払った。
「だいじょぶ……。
……島にいた時は……
碌に夢を見る……余裕も……」
「…………ッ!」
何を見たか、がば、と跳ね起きた。
ぜぃ、ぜぃ、と荒い息。
あれ、ここは何処だっけ。
揺れる船を見て、思い出す。
「…………だいじょう、ぶ」
自分に言い聞かせるように。